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『シュイナードは現実逃避しているのか?』

 既にアウトドア愛好家の皆様はご存じの通り、去る12月5日、パタゴニア社は公式サイトにて黒地に白文字で「The President Stole Your Land.」(大統領は我々の土地を盗んだ)というキャンペーンを開始しました。

Pata1

 トランプ政権がユタ州内の国定公園指定保護地域を大幅に縮小する決定を下したことに対する、パタゴニア社そして創業者イヴォン・シュイナードの抗議の意を示すものです。

 日本のツイッター等ではパタゴニア社の動きのみがとりあげられ、熱狂的なファンからマンセー状態ですが、トランプ政権・共和党側が黙っているわけもなく、現在はユタ州の下院議員ロブ・ビシッョプとイヴォン・シュイナードとの論争が展開されています。
 ロブ・ビショップ氏とは、ユタ州出身の下院議員でアメリカ下院議会天然資源委員会委員長を務める人物。
 ビショップ氏はシュイナード氏に対して天然資源委員会への出席要請を伝えましたが断られ、そのためにパタゴニア社のそれを真似たロゴをツイートしたものが下記画像のツイート。

N1

ここでシュイナードと相対する側の意見もみてみましょう。アメリカの世論が決して一枚岩ではないことがわかります。

Is Chouinard living in a bubble? (シュイナードは現実逃避しているのか?) by Snewsnet.com 2018.1.9

以下引用開始
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シュイナードは現実逃避しているのか?ロブ・ビショップ議員はそう考える。

パタゴニアと共和党ロブ・ビショップ下院議員との論争が続いている。

金曜日、ビショップはパタゴニア社のツイッターを模した画像を投稿しました。これは「パタゴニアは隠れている」と「パタゴニアは嘘をついている」とに置き換えたものです。 このツィートは、ビショップ氏からシュイナード氏へのメールにもリンクし、彼の意見をシェアしています。

N1
@NatResources 残念ながらパタゴニアは自らの嘘を護るため公の場にでることを拒んだ。

ビショップ氏はそれだけにとどまらず、シュイナード氏は異なる意見の人間と会うことをしようとしない、政治的に現実逃避者だと主張している。 ビショップ氏は、反対陣営と機会を共にしてシュイナード氏の説明を聞く機会を得られないことに失望していると語った。

ビショップ氏のメールによれば、パタゴニアが一般市民に誤解をあたえていることに失望を表明、全ての土地が公的に、厳しい環境審査を受けていることを指摘している。
「不正確で誤解を招く言葉を示し、知名度の高い企業市民がアメリカの顧客や一般市民に不利益を与えている」と綴る。

「大規模な連邦財産を管理する最も効果的で有益な方法については、幅広い意見が存在する。あなたの意見と違い、私の意見は常に公的な精査の対象となります。私は毎日のように、強力に提唱される反論に直面している。政治的な反対意見に強く反論したとしても、それらを尊重し、常に彼らとの対話に参加する意思がある」

シュイナード氏は、委員会がパタゴニアに対して不誠実な態度をとっていると考えており、以前に出席要請を断っている。シュイナード氏はビショップ氏宛メールで「この出席要請によって、誠意をもって働きかけているという見込みはない。」
「私たちのポジションは明確かつ公的なものであり、あなたがメールを読むことをお勧めします。」

先月下旬、パタゴニアの行動に賛同していないアウトドア業界専門家の見解を本紙で紹介しました。
「イヴォンがこの土地を愛するというのなら、彼はこの土地で事業を展開するだろう」
スリー・セインツ・アウトドアのオーナーであるジョン・ドロリンガー氏は語る。モアブ・ギア・トレーダーのオーナー、マーシャル・ドボルザーク氏は、「多くのお客様がパタゴニア製品をボイコットしている」と話した。

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以上引用おわり

引用記事のように、日本のツイッターにみられる頭お花畑なパタゴニア賛美者ばかりではなく、アメリカの世論も分かれています。
特に擁護的な記事が目立つのが、The kaplan herald紙。

Rob Bishop Continues His Taxpayer-Funded Feud With Patagonia by The kaplan herald2018.1.11

記事の結びは、
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While it’s true that the collective 2 million acres that the Trump administration has stripped from the two Utah monuments remain public and under federal control, withdrawing monument status opens the door for drilling, mining and other development.

Bishop hasn’t been alone in the fight against Patagonia.

 トランプ政権が2箇所のユタ州国定公園指定を撤廃した200万エーカーの公有地は、公的に連邦政府の管理下にあり、国定公園指定を撤廃することは、掘削、鉱業その他開発の扉を開くことは事実です。

パタゴニアとの戦いにおいてビショップ氏は独りではない。
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などと書かれています。

このThe kaplan herald紙、ずいぶんあからさまにトランプ政権寄りだなあと調べてみると、ルイジアナ州の地方紙ですね。賢明な方はお察しの通り、ルイジアナ州はいわゆるアメリカの「デーィプサウス」、保守的な土地柄で共和党の支持層厚い州です。

今回のパタゴニア社、イヴォン・シュイナード氏VSロブ・ビショップ氏の論争も、政治的な思惑をはらんだメディアによって今もなおアメリカのメディアが報道しています。
ソルトレーク・トリビューン紙のように、「ロブ・ビショップのような議会の人間が、一市民・企業家であるシュイナード氏に対して議会ではなくSNSという場で反論・攻撃する倫理性」について是非を問うメディアも現れています。

オバマ政権下の内務省長官サリー・ジュエルならもっとマシだったのですが、現在の内務省長官ライアン・ジンキはもちろん、ロブ・ビショップ氏の擁護にまわってました。あーあ。

トランプ政権下の閣僚・議員を相手にしているイヴォン・シュイナード氏の闘争は、トランプ政権誕生時のフレーズ「国民の分断」のとおり、世論もアウトドア業界も一枚岩ではないことを如実に示しているといえるでしょう。

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