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諦めない人々 クシストフ・ビエリツキ、K2冬季遠征をふりかえる

去る3月19日、冬季K2を目指したポーランド登山隊が帰国、ワルシャワ・ショパン空港にて記者会見を開きました。

ポーランドの大手ポータルサイトonetのスポーツ欄にて、クシストフ・ビエリツキ隊長のインタビューが掲載されています。

 隊に無断で単独アタックを敢行したデニス・ウルブコによって、良くも悪くも世界的に知られることになったポーランド登山隊。

 末端の現場作業員ながら、サラリーマンとして会社という組織に生きる私としては、超ウルトラスーパー個性的かつ強力なクライマーをまとめる隊長のクシストフ・ビエリツキの言動が気になります。

Krzysztof Wielicki: możemy zdobyć K2, ale trzeba wzmocnić skład by sport.onet.pl 2018.3.19

以下引用開始
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クシストフ・ビエリツキ:我々にはK2登頂のチャンスはあるが、登山隊を強化する必要がある
MACIEJ STOLARCZYK

Kusi
記者会見に臨むクシストフ・ビエリツキ

 月曜日、K2冬季遠征隊のメンバーがポーランドに帰国しました。登山隊隊長のクシストフ・ビエリツキは、戦術、判断、今後の活動などについて、長時間にわたり記者会見を行いました。また、単独で頂上をめざしたデニス・ウルブコに関する質問では、「私はデニスに対して門戸を閉ざしたわけではないが、彼はより誠実でなければならないだろう」と語りました。

ポーランドに帰国できた感想はいかがですか?

 全員で帰国できたことを嬉しく思います。ブロードピーク遠征では暗澹たる思いでしたので、安全が私にとって最も重要でした。

今回はK2登頂は果たせませんでした。今後のための、最も重要な教訓は何でしょうか?

 次の遠征にはアブルッツィ稜を目指すでしょう。夏季の資料からバスクルートを選定していましたが、冬季は雪が少なく、落石が激しいことがわかりました。初めにアダムが、そしてパキスタン人メンバーも苦しみました。それから登山隊をアブルッツィ稜に移動することに決めました。おそらくバスクルートを進むことが最も頂上攻撃の可能性がありますが、安全を確保しなければなりません。今の私達は最初に未知の領域を進む者として、長大ではあるが容易なルートを進むべきであることを知りました。

他に何か改善点はありますか?

 隊を2チームに分けることを考えています。最初のルート工作は7,000メートル以上で行われ、キャンプを設営し、ロープを固定します。 2番目のチームは後から到着し、休養をとり、頂上アタックの準備を行います。南米で順化を済ませてK2ではヘリでBCに飛ぶという考えもあります。
 これは登頂する手法として倫理的な問題もありますが、登頂を果たすためには考慮する必要があるでしょう。一般的な結論としては、登山隊を強化する必要があります。

あなたが次の遠征の隊長を務めるとすれば、デニス・ウルブコの参加についてはどうお考えですか?

 まず彼のチームメイトに対する誠実さを改めることが必要です。遠征中、インターネットで重大な記事を公開することはできません。もし彼がロシア隊の遠征でこのようなことをしたら、すぐに追放されるでしょう。チームワークの障害となることは許されません。彼の書き込みに関して不愉快になるメンバーもいました。もちろんデニスがネガティブな意見を持つのはかまわないが、BCでそれについて話したのか、批判を公に公開することは避けるべきです。彼は私たちに自分の主義を貫こうとしているほどの傑出したクライマーです。今回の遠征では「私、デニスとポーランド人」、こんな感じでした。

あなたがウルブコに今年の登山隊に参加するよう促しました。

 はい、私たちは20年間にわたってお互いを知ってますし、彼が素晴らしいクライマーであることを知っています。しかし登山隊を彼の考えに従属させることはできません。登山隊に招かれたのなら、彼は私たちのルールに従うべきです。私たちは3月まで登山活動を続ける予定でした。彼は出発前に断念すべきでした。

ウルブコがチームに居続けたなら、3月にK2に登頂する機会はありましたか?

 大いに機会はありました。天候のチャンスがありました。C3に入り、アダムとデニスが頂上にアタックすることができました。デニスは私達がK2に登ることを望んでいないと言いましたが、それは事実ではない。私達には私達の計画があります。彼が私達から去って行ったのです。

あなたは登山隊を強化すると話しました。ウルブコぬきで可能でしょうか?

 困難ですが、可能でしょう。強いクライマーが必要です。おそらくJędrka Bargiela(訳者注:ポーランドの強力なスキー登山家)を説得するでしょうか?ポーランドには冬季の経験が乏しくとも強力なクライマーが幾人もいますから、彼らには可能でしょう。しかしながらウルブコに対しても門戸を閉ざしたわけではない。次の遠征では、条件が整えられれば参加もやぶさかではないだろう。

あなたは次の登山隊でも隊長を務めますか?

 私の意志としては、やってみたい。しかし、その決定はポーランド山岳協会が決めることです。協会が他に誰かを選ぶとしても問題はない。私はアドバイザーを務めることができるだろう。私には9歳の息子がいるので、面倒もみなければね。

次のK2冬季遠征はいつ実行されますか?

 次の冬には機会があるでしょう。社会的関心も大きく、登山隊のスポンサーになってくれる企業もあるでしょう。今回の遠征ではスポーツ省の支援に感謝しています。海外に向けてポーランドのイメージ作りに貢献したと思っています。登山隊は世界的な関心を呼びました。

K2の冬季遠征が成功する可能性は大きいですか?

 私たちが「気象予報」に関してより発展させたことが非常に重要なことでした。ほぼ完璧な予報が得られ、効果的でした。好天の機会は周期性があり、遠征中に5回ほどの好天を捉えることが出来ました。それはルート工作を行い山頂を狙うには十分なものです。

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以上引用おわり

 このように、今回の経験を生かして次の冬季遠征やる気まんまんなビエリツキ隊長でした。

 冬季K2を狙いながら慎重なまでに安全を重視するクシストフ・ビエリツキ。
 インタビューでも触れられているように、冬季ブロードピーク登山隊を率いた際、2名の隊員を失ったことが尾を引いていることがうかがえます。

 なおonetに掲載されたインタビューは簡潔にまとめられたもので、詳細はポーランドのクライミングサイト wspinanie.pl 掲載のインタビュー記事を読むと、クシストフ・ビエリツキの考えがより深く読み取れるでしょう。

 今現在、年度末という現場作業員の地獄の季節なもんでブログにアップできないのですが、ロシアそしてポーランドメディアに流れているデニス・ウルブコ、第2のキーマンであるアダム・ビエリツキのインタビュー記事を読み比べてみると、K2冬季登山隊の興味深い人間模様が伺えます。

 おそらく次に冬のK2を訪れるクライマーは、やはりポーランド人達になることでしょう。

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