Friendship to last
山形県朝日少年自然の家チャレンジキャンプ2018の登山講師のご依頼をいただき、今年も子供達と月山へ。
この殺人的な猛暑、今年は頂上にスイカを持っていき子供達と食べたいと計画、120リットルザックを用意しL玉スイカも現地に用意していった。
当日朝、例年通り朝4時に起床して空と山の様子を目視観察。
姥ヶ岳山腹から上部は濃い灰色の雲に覆われている。
その他各種情報から昨年のような雲海にはならず、山頂付近は低温と予想。
スイカをふるまうパフォーマンスより、子供達の安全対策が自分の役割、と考え直す。
スイカはキャンプ場脇の冷たい沢水に漬けておき、後でチャレンジキャンプ統括の神保さんに引き渡すことにする。
もう幾年もチャレンジキャンプの登山引率の依頼を頂戴しているが、今年は何か嫌な予感がして装備をあらためて見直す。
熱中症対策として経口補水液の粉末タイプを入手したが、万一子供達が熱中症になった場合は対応の早さが求められると考え、保冷剤で500mlの経口補水液ペット2本を冷やして携行。
JMGAの更新研修で伺った富士山ガイドの方の装備を参考に、子供用雨具の予備として大人Sサイズ、Lサイズ
を各1着ずつ携行。予備の雨具を二人分という根拠は、過去に自然の家のチャレンジキャンプで悪天に遭遇した際、雨具を忘れた子供が2名いたという経験に基づく。
日差し対策として帽子は4名分を携行。忘れ物対策だけでなく、強風で帽子を飛ばされる子もいるためだ。
予想通り、山頂付近は強風と低温。
子供達には雨具を着用してもらい、昼食をとってもらう。
寒いという女の子にSサイズの雨具、もう一人の女の子には私が着用していた韓国ネパのライトウェイトジャケットを脱ぎ、着せてあげる。
予備の帽子も一つ、ボランティアスタッフに着用してもらった。
どうにか姥沢ルートを往復。
帰路、足にきている小4の女の子が木道から転げ落ちた。幸い、少し足を打った程度で済むが疲れた子供達は油断ならないことを痛感させられる。
今回の山行は強力なボランティアスタッフに恵まれただけでなく、前所長の奥様である土屋さん(養護教諭)が同行していただいた事で安心感が増した。安心感だけでなく、行動中も「お腹が痛い」という子が続出したが、その都度対応いただき大変助けられた。
前夜のミーティングでは、子供達が「みんなで力をあわせて月山に登ります」という。
登山中は、子供達は自分自身のことで精一杯だ。
子供特有の残酷なまでのエゴイズムが目に付くこともある。
実際に力を出し合っているのは子供だけでなく、見守る大人達も同様である。
私にとっては反省の多すぎる山行、自然の家の職員の皆様、ボランティアスタッフの皆様、頑張り抜いた子供達に感謝したい。
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登山当日の朝の献立は「朝からバーガー」。
小6の女の子が小4の女の子と一緒に包丁を持ち、「トマト輪切りにできる?こうするんだよ」と教えてあげている。
私たちが月山下山中、スタッフの咲ちゃん達が作ってくれた豚汁。
月山では気温が低い割に登山や温泉で汗をかいたせいか、
塩気のある豚汁は子供達の食欲でこうです。
今日はナイトハイク(という名の肝試し)まで同行するつもりだったのですが、月山から下山して携帯を確認すると、明日早朝から秋田某所の現場に行く用件が発生。
タダメシ喰いみたいで恐縮ですが、夕食をいただいた後に退出させていただく。
Two Step From Hell のFriendship To Last で流れるスコットランド・ゲール語の歌詞に心休めながら、夜の国道112号線を自宅に向かう。気持ちを切り替え、明日は仕事です。
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コメント
今年もたいへんお世話になりました!
月山登山、いかだ共に予想してない厳しさでしたが、おかげさまで無事に終えることができました。
終わってみれば良い経験なのですが、自分の中での反省も沢山ありました。
子どもと共に成長できるような、そう思って毎年参加してしまいます。
ありがとうございました。
投稿: かず | 2018.08.07 06:26
かず様
今年も大変お世話になりました。
また全日程参加、大変おつかれさまでした。
今年はちょっと班付サポーターさんの負担が大きかったかなあと感じてます。
登山前夜のスタッフテントでかずさんおっしゃったように「小学生、男女の壁があってあたりまえ」の言葉にはっと思わされた次第です。
実は今年は例年のように登山引率引き受けていいものかちょっと悩んでおりましたが、反省点もたくさんあるし、機会あればまた、という感じです。。。
月山、いかだ、かずさんがおられると安心感違います。
今年もありがとうございました。
投稿: 聖母峰 | 2018.08.09 01:32