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握 手

登山用品メーカー様主催の山の日記念・月山縦走ガイド山行に出動。
月山朝日ガイド協会所属で以前にもガイド山行を共にした細谷さんとペアを組みガイド。

私がチーフガイドなのだが、細谷さんのガイディングの方がバリバリと細かいところまで行き届いており、どっちがチーフだかわからない状態。

湿った空気の影響で、朝から月山は小雨。
姥ヶ岳を通らず、四ッ谷川ルートで牛首に直接向かう。
幸い、月光坂にとりつくあたりから雨は降ったり止んだり、さらに空も少し明るくなる。
お客様の足並みもそろっており、スムーズに月光坂を登り、予定よりも早めに山頂着。

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濃いガスで視界も阻まれ、うっとうしい小雨に悩まされていたが、山頂でガスが晴れる。
山の日で大勢の登山者が居合わせていたが、一斉に歓声があがる。

帰路は羽黒口、八合目駐車場へ。
傾斜はないが距離が長い。しかも登山道のほとんどを硬い石畳、岩が占め、足の弱い方は脚力を消耗する。
月山の羽黒側ルートで不特定多数の方々を引率する時のペース配分には神経を使う。

羽黒側を下山中、「あれ、大滝さん?」と声を掛けられる。
エムフリー登山ガイド主宰の和田さんだった。
「お久しぶりです~!」
和田さんからさしのべられた手でがっちり握手する。
和田さんもガイドで登高中、挨拶だけですれちがうが、お互いガイド中であることが嬉しい。

羽黒側ルートはひたすら石畳の道が続く。
弥陀ヶ原に近づくあたりからスリップするお客様が続出。疲労で足の踏ん張りが効かなくなっているのだ。
川原状の広いところで休憩を入れ、歩く速度も抑えて下山。
予定を過ぎていることはわかっていたが、弥陀ヶ原参篭所手前で主催登山用品メーカースタッフのM澤さんから「できればペースアップ」と言われる。

弥陀ヶ原湿原のコース取りで時間短縮できることは細谷さんとも協議していたのだが、月山が「信仰の山」であることを印象つけるためにも、私はいつも弥陀ヶ原参篭所を通過しているのだった。
今回のゲストには東京・埼玉から参加されている方もいる。おそらく新幹線の時間もあるのだろう、仕方が無い。
参篭所での解説は最低限にして弥陀ヶ原湿原の木道を通過、下山のストレッチも帰路の温泉で代替することにしてお客様たちには急ぎ足でバスに乗っていただく。

温泉を経由し、山形駅近くの登山用品メーカー店舗に帰着したのは予定より30分オーバーの19時半。
お客様たちを見送り、私たちスタッフ、ガイドも解散。
帰り際、細谷さんから「またよろしくお願いします」とがっちり握手して別れる。

自分の車に乗り込み、はっと思い出す。
ガイド駆け出しの頃、ガイドの師匠と大朝日岳ガイド山行を共にした時のこと。
師匠は山頂で、下山口で、お客様全員と握手していた。
「師匠、いつも握手してるんですか?」
「ほら、ツアーって大人数だから話できない人もいるだろ、コミュニケーションだよ」

先日の少年自然の家月山登山引率も、今日の月山ガイド山行もそうだが、今シーズンはうまく表現できないのだが、自分のやっているガイディングがなにか「上滑り」しているようなもどかしさを感じていた。
今日の和田さん、細谷さんとの握手で思う。ガイドの初心に戻ろう。何が足りないのか、立ち止まって考えよう。

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自宅に戻ると、茄子の漬け物とスモモが待っていた。無事下山し、夏の夕餉を味わうありがたさ。

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