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すれ違い

8月13日、例年は午前早い時間に済ませていた盆の墓参り、夕方に出かけることになった。
どうにか時間を作り、朝日連峰の鳥原小屋訪問に出発。

山深いというイメージの朝日連峰、県外から日数をかけて遠征に来られている方々には申し訳ないような感じだが、日帰りで訪問できるのも地元在住の利である。

訪問の目的は、鳥原小屋管理人の鈴木正典氏と山の話をすること。
今夏は人でいっぱいの月山を何度も歩いたので、人に会わないで済む「ぶな峠」コースを選択。

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登山口からしばらくは沢沿いの道を行く。
ツリフネソウはじめ、夏の花を愛でながら進む。

刈り払いされてない「ぶな峠」コース、道はしっかり踏み跡があるのだが、草に覆われていて徒渉箇所などわかりづらい。
2度ほど地形図を取り出して現在地と進むべき方向を確認し、稜線の気持ちよいブナの道をたどる。
古寺鉱泉から続く登山道に合流、田代清水まで登ってくると・・・

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犬がいました。
しかも首輪を付けている。
最寄りの登山口から1時間以上はかかる場所なのに、迷い込んできたのだろうか?
犬は私にかまうことなく、田代清水からわずかに流れている水をピチャピチャ音をたてて飲み始めた。
そりゃ犬だって暑いよね。

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正体不明の犬を激写していると、人の気配。
道を譲るため木の陰に下がっていると・・・

「あれ?大滝くん!?」
「ええっ!正典さん!」

鳥原小屋方面から下ってきたのは、今日訪問するはずだった小屋管理人の鈴木正典さん。
小屋の食糧補充に、これから古寺鉱泉経由で街に買い出しに行くという。

事前にアポをとれればよいのだが、鈴木さんも鳥原小屋暮らしで連絡とれない。
「いや今日あたり大滝くん来るんじゃないかと考えてたとこだったんだよ~」
と鈴木さんはおっしゃる。さすが元・金融マン、口が巧い。
私たちの目の前にいる犬、鈴木さんが飼っている犬でした。鳥原小屋のアイドル犬らしい。
「名前は ポ チ です。みんなに可愛がってもらったなぁ~」
ポチというどストレートな名前も鈴木さんらしい。

積もる山の話はあれど、残念ながら、今回はすれちがい。
「小屋でゆっくり休んでいってよ。」
鈴木さんは古寺鉱泉方面へ。
私はテンションあがらぬまま、主のいない鳥原小屋へ。

灌木帯を抜けると、湿原が広がる。鳥原湿原だ。
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湿原のあちこちが白い。
チシマゼキショウが花盛り。

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湿原の中にぽっかり浮かぶ古城のような小屋、鳥原小屋。

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変わらず、掃除の行き届いた小屋内で一休み。

Zao
鳥原小屋から望む蔵王連峰が美しい。

小屋で一息いれた後、同コースをたどり下山。
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誰もいない、静かなブナの道で、自分だけの朝日連峰を満喫です。

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ぶな峠 登山口について

朝日連峰・古寺鉱泉~鳥原小屋間の縦走路に通じる「ぶな峠」コースはガイドブックにまったく掲載されていない登山口ですが、わずかながらネット上にも記録が散見されます。

2018年8月現在、踏み跡はしっかりしていますが、刈り払いされておらず湿地帯や徒渉地点で道を見失いやすく、初めての方にはおすすめできません。

Imgp3558
私も2007年以来11年ぶりに訪れましたが、登山口は当時と全く異なっています。
登山口の左右両側に林道が開削され、ブナ林も伐採されています。
(「登山道」の表示は有り。画像には写ってませんが、この登山口の両側に林道が開削されています)

入り口には東北森林管理局、環境省、山形県みどり自然課他の連名による『スノーモービルの乗り入れはご遠慮ください』という看板がありますが、ものすごいブラックジョークですね。
私も冬期山岳地帯における無秩序なスノーモービル運行には反対ですが、これだけ大規模に山林を破壊し尽くされた一方で「スノーモービルによる樹木の損傷」って・・・

私も自然公園指導員なもんであらためて確認しましたが、ぶな峠登山口一帯は国立公園の指定からは巧く外れた地域。だからといってこれだけやり放題が許されるのか、とあらためて思わずにいられない光景でした。

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コメント

おばんでございます。
ぶな峠、あの伐採は何なんだかなぁと思います。
昨年秋に久しぶりに行こうとしましたが、
川の水が半端なく、戻りました。
鳥原山の山開き、いや朝日連峰の山開きですかね、
何年か前にこのコースから入山した記憶があります。

明るくなったのはいいのだけど、
伐採し過ぎじゃないのと思いました。

シバワンコですね。

投稿: は。 | 2018.08.22 20:18

は。様

 おお、ぶな峠の現状ご存知だったんですね。
 私も開発する側(建設業)で仕事してますし、もともとぶな峠の登山道自体が林業のために作られたと聞いてますので林業や伐採そのものを否定するつもりはないんですが・・・あのうっそうとした以前のぶな峠登山道を知るものにとっては、ちょいとやりすぎなんでは、という思いでした。

<<川の水が半端なく、戻りました。
沢や流れを渡るところが幾つもあるので、水量多いと厳しいですね。

<<シバワンコですね。
最近おしゃれな犬しか見てないので、久々の柴犬でした。あの毛並みでは今年の夏は暑かったのでは、と田代清水での水の飲みっぷりに思いました。

投稿: 聖母峰 | 2018.08.23 17:19

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