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ウサギの巻狩り体験記

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 1月20日、山形県鶴岡市の山奥、朝日連峰の奥深くに位置する大鳥自然の家主催の『大鳥でウサギの巻狩りを体験しよう!』に参加。
 人様より少し登山経験はあるが、狩猟に関する経験は全く無い。
 何より、野生動物の「命」を「山の恵み」として狩猟する人々の姿を知りたい。
 (冒頭の画像は、大鳥自然の家玄関に飾られている熊の頭蓋骨)
 大鳥自然の家に集合してみると、同じ月山朝日ガイド協会会員で研修を共にしている あかねずみさん とばったり出会う。山岳文化に造詣深いあかねずみさんは三年連続で参加とのこと。

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開会オリエンテーションで巻狩りについてお話されている工藤朝男氏。

一般参加者20名はAからEの5班に分けられ、私はA班。
勢子(せこ)として、山中を叫びながら移動し、獲物を追い込む役割だ。
開会オリエンテーションで巻狩りの話をされた現役マタギ、工藤朝男氏に引率していただく。

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自然の家玄関口でわかんじきのレクチャー。
キリル文字は読めても空気は読めない私。
大鳥自然の家で用意されたわかんじきではなく、いつも愛用しているアルミ製わかんを素早く履いて準備していると、工藤さんから、

「狩りのときはな、みんなで同じ装備をつけないとダメなんだ。違うと遅れたりしてな。大勢で山に入るときは、人の足跡を忠実にたどっていくのが大事なんだ。」

と、やんわりと注意される。
少々表現に気を遣いますが、決して嫌みな感じではありません、諭すような言い方です。
今まで文献でしか知らなかった、マタギがグループで山に入るときの厳しい「掟」に触れたような気がして、私も緊張する。
登山を少しばかり続けてガイド資格を持っているとはいえ、ここでは私は全てにおいて一年生。
「はい!気をつけて登ります!」と直立不動で返答する。

そのまま、工藤さんの持ち物を見学。
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この銃で、どんな獲物が獲れたのだろうか。

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工藤さんが持っているのは雪ベラならぬ「かんじき」。
勢子は叫ぶだけでなく、この「かんじき」で立木を叩いて獲物を追い込むそうです。
山中で実際に耳にしましたが、カーンカーンと響き渡る音でした。

ウサギの巻狩り(まきがり)の様子を模式図に表すとこんな感じです。
Hunt
(大鳥自然の家配布資料を筆者が模写したもの)

10時20分、行動開始。私を含むA班、B班は自然の家正面の山を登っていく。
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稜線に出たところで休憩。
そのまま、各班が持ち場につくまで待機となる。
天候はあいにくの雨。
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杉林の中、気温0度に近い低温で雨の滴に打たれながら、待つ。
行動中は私語はもちろん、携帯などの電子音も禁止とされているのだが、待ち時間の間、猟に関する興味深いお話を色々伺う。

募集要項でも推奨されていたので、アマチュア無線の免許を持っている私は猟師さん達の周波数をあらかじめ教えて頂き、各班の無線を傍受しながら行動していた。
待つこと約20分、各班に分かれて行動開始。
勢子として、
『ホォーイ! ホォーイ!』
と叫び、どこかに潜んでいるであろうウサギを追い立てながら山中を進むのだ。

起伏のある山中を1時間近く、叫びながら歩いて行く。
雨のおかげで歩きやすいのを通り越して、雪が重い。
結構な急斜面をトラバースしていくため、写真も動画も撮る余裕も無く、ひたすら叫びながら、スタッフの砂山さん、佐藤さんの間を歩き続ける。

11時40分、傍受していた無線で
「ウサギの足跡みつがらねなぁ」
という報告が入り、まもなく下山の指示。
無線のイヤホンに
「空鉄砲撃つぞ」
という声が聞こえる。
しばらくして、山中に銃声2発。
間をおいて、もう2発。

歩いてきたトレースを忠実にたどり、下山。
今回はウサギの収穫はありませんでしたが、貴重な体験をさせていただきました。

自然の家では、スタッフの工藤さん三浦さんが美味しい郷土料理を準備して下さっていた。
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当初の計画では、あらかじめ仕留めていたウサギで汁を作る予定とのことでしたが、今年はウサギは不猟、なんと今年から鶴岡は朝日連峰の奥深く、大鳥地区にもイノシシが出現。で猟師さんが仕留めた、というわけで、

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昼食はイノシシ汁に、

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庄内の郷土料理『弁慶飯』です。味噌おにぎりを青菜で巻き、焼いたものです。

山に生きる人々の姿をほんの少し、垣間見ることができた休日でした。
大鳥自然の家スタッフ皆様ならびに大鳥地区の皆様に深く感謝申し上げます。

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