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山の神を迎える人々

2月24日、山形県鶴岡市 戸沢地区。

戸沢地区で行われる、山の神を迎える神事 「山の神迎え」を見学させていただく。
集落に2箇所ある山の神の社(やしろ)の大木に、藁で作った巨大なノサ(御幣)を掛けるという行事である。

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会場は戸沢自治公民館の体育館。
バスケのゴールに荒縄で吊した藁束から、御幣の「綱ぶち」が行われる。

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幾本もの綱が伸ばされていく。
戸沢集落の青年8名、指導役1名で作業が進められる。

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昔は女人禁制だったが、現在は女性が御神酒の接待役にまわる。
御神酒を口にしながら、作業は進む。

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伸ばした綱を巻き上げてまとめ、床に下ろして仕上げ。
「結び目はこうで・・・」
「正面はこっちで・・・」
と、指導役の方の指導に従い、男性達が藁をない、まとめていく。
今年は集落内で不幸があり、参加人数も少ないとのこと。

13時半頃に始まった「綱ぶち」、ノサ(御幣)2つが完成したのは15時55分だった。

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ノサ(御幣)を担ぐ役2名、まさかりを担ぐ役2名が講堂で正座し、御神酒を授かる。

それから皆は公民館2階の和室に設けられた「神域」に入り、神事が始まる。
拝礼、謡、御神酒、そして

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担ぎ役の4名は顔に米のシトギ(水に浸した米を砕いて粉にして固めたもの)を塗りつける。

これら神事が終わった後、皆が部屋を出ようとしたところで、指導役の方から
「結界切れよ!」
と声が飛ぶ。
和室にはしめ縄が張ってあり、それを切ってから外に出よ、ということらしい。
神事では皆さん整然と謡を唱え、結界を築いている。
きわめて厳粛に神事が進められ、伝統が守られていることを感じる。

外に出て、担ぎ役は二手に分かれて集落を練り歩く。
「こちらの方が見学にはいいと思いますよ」
と、私に移動距離の短い組を進めていただき、ついていく。

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大声で『オヤマカセーッ』と唱えながら、山の神の社をめざす。

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お社の中で、あらためて拝礼、謡を唱える。
そして、お社に隣接した大木にハシゴがかけられる。

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綱を担ぐ役の方は大変そうだが、無事に今年のノサが大木に掛けられた。
正面は近隣の菅野代集落の方に向けるという。
昔はよじ登り、木のてっぺんに掛けるほどよいとされていたそうだが、今は「ハシゴで登れるところまででいいぞ」とされているようだ。

この後、民家を廻り自治公民館に戻って直会となる。余所者の私は大木にノサを掛けたところを見届けて退出させていただいた。

ノサ(御幣)の綱ぶちから大木のノサ掛けまでを動画に収録しました。

帰路、鶴岡市内を車で走っていると、雄大な月山・東面が夕陽でほんのり紅く染まり始めていた。
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紅く染まり始めた月山の、人間を寄せ付けないような美しさ。
山の神を迎える人々の信仰心を、改めて強く感じた瞬間だった。

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ロシア・ポーランド隊、ジャヌー東壁へ

日本ではその異様な山容から「怪峰」と呼ばれるジャヌー(クンバカルナ 7710m)。

今春、ロシア・ポーランド隊が未踏のジャヌー東壁にトライする予定です。

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2015年秋、タルン北西バットレスを初登したウクライナ隊が撮影した、ジャヌー東面

 ジャヌーといえば日本では山学同志会による北壁があまりにも有名ですが、東壁はスロベニア隊を中心に過去10隊以上ものトライを退けたルート。
 2004年にはトマジ・フマルが単独でトライしたものの約7000m地点で困難さのため敗退、2011年には韓国隊が挑みましたが隊員負傷のため敗退しています。

 今回ジャヌー東壁を目指すのは、
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ロシアのビッグウォールクライミングの第一人者、セルゲイ・ニーロフ(右)、ドミトリー・ゴロフチェンコ(左)、

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ポーランドから、グレート・トランゴ北西壁『BUSHIDO』開拓などで知られるマルチン・トマシェフスキが参加します。

遠征期間は2月27日から4月7日までを予定。
東欧の猛者達がいかなるクライミングを展開するのか、注目です。

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2月お仕事日記 2019

2月×日

 日韓関係より冷え込んだ夫婦仲を緩和すべく、毎冬恒例、
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菓道 八右エ門 のイチゴ大福を家族で食べる。
娘とカミさんいわく、ここのイチゴ大福が一番旨いとのこと。
冬季に山形に来た皆さん、ここのイチゴ大福絶対おすすめよ~

2月×日

 短期の仕事で極寒・暴雪の青森へ。
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出張先で、中東問題なみに険悪な仲のカミさんからもらったバレンタインチョコを食す。
甘いモノ喰って明日の現場頑張ろう。

2月×日

 どーにかこーにか青森の現場を完了。
 帰りの道中、高速のSAで、
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『大直利』(おおなおり)という、クルミたっぷり入ったゆべし餅を購入。
秋田・尾去沢の名物菓子で、大直利とは鉱石が多く含まれた岩石のことらしい。
オブラートに包まれたゆべし餅、かなり甘い味付けですが、現場帰りの身体には素直に美味しく食べられます。
古人は、こんな菓子に鉱山の栄華を夢見たんでしょうか。

2月×日

 日曜はさんで、青森の次は神奈川まで所用のため車で往復。
 現地の親方と合流、仕事の話をし、車両を入れ替え、帰りは大型トラックで山形に帰る。
 さすが関東、道端の畑には梅の花が咲いている。
 毎年、年度末は諸事情のため車で関東を往復する機会がある。
 雪の東北から関東にやってきて、梅の花を眺めるひととき、仕事で忘れがちな季節の移ろいを思い出させてくれる。

2月×日

 しばらく工場で社内失業を満喫しながら、各現場の皆をサポートする係。

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 いつものごとく帰宅すると、食卓には「うるい」。

 仕事に追われたまま、食卓には春の気配が忍び寄る。

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ミック・ファウラー、ヒマラヤ登山に復帰

ここのところ日本のメディアでは、著名人の難病告白が続いてますが・・・

2017年末に癌闘病を告白した、イギリスのミック・ファウラー。
今春、ビクター・サンダースと共に再びヒマラヤ登山に復帰することが明らかになりました。

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ミック・ファウラー近影 (Photo by Bob smith / grough )

Mick Fowler and Vic Saunders revive Himalaya climb plans after cancer diagnosis  by grough 2019.2.19

昨夏、癌に冒された肛門と直腸の摘出手術を行い、リハビリを続けてきたミック・ファウラー。
スポンサーのバーグハウス、そして日本でも医療器具メーカーとして知られるコロプラスト(Coloplast)社のバックアップを受け、ヒマラヤ登山にも耐えうる人工肛門を身体に埋め込んでの遠征を計画しています。
コロプラスト社開発チームと連携し、登山でテストを重ね、人工肛門を必要とするような登山者に役立つことを願っている、とミック・ファウラー本人は意気込んでいます。

税務官という官庁の仕事とハイレベルなヒマラヤ登山を両立させてきた氏は、既に定年退職、今回目標とする山は明らかにされていませんが、3月から4月にかけて、『遠く離れたところにある、美しくてやりがいのある』6000m峰とのことです。

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Uruca II

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 2008年制作のクライミングのアニメ短編映画 『Uruca』 の続編 『Uruca II』 が、制作者である Erick Grigorovski によりyoutubeで公開されましたので紹介いたします。

 本作では、カナダ・バガブーの岩壁に挑む2人のクライマーの様子が映画化されています。

この映画は昨年に韓国で開催された蔚州国際山岳映画祭でも上映され、高評価を得ています。
制作者のエリック・グリゴロフスキーはブラジル・リオデジャネイロ出身のクライマー。
前作がカナダ・バンフ映画祭に出品された際、訪問したカナダが気に入り移住したという経緯から、続編の舞台はバガブー山群になったようです。

 前作はちもろん本作も、その魅力はなんといっても、実際にクライミングした者なら「ああ、そうそう」と共感する、クライマーなら実感できる些細な出来事 (核心部での「ためらい」や「ため息」などなど) が巧みに描写されていることですね。

 登山ブームに便乗した下手な漫画よりも、こちらをご覧あれ。

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雪の結晶を求めて

思うところあり、昨年末から雪の結晶レプリカを作るべく、材料・道具を買いそろえていた。

寒波が来る連休。
条件はそろいそうだ。

風が強いと雪の結晶の枝が折れてしまうらしい。
気温が低く、風が弱い深夜、奥羽山脈某所を目指して車を走らせる。

気温マイナス7度。
上下に防寒着を着込み、使う道具、材料も車外に放置して冷やす。

まだ夜明け前の4時、作業開始。
アクリル樹脂を溶かしたレプリカ液を樹脂シートに垂らし、ルーペ型メガネをかけ、よく成長した結晶体を選んでレプリカ液に浸す。

ところが・・・・

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レプリカ液を樹脂シートにたらすと、あっという間に白濁して固結する。
レプリカ液の濃度が濃すぎたらしい。

レプリカ液調合の際、1g単位で計れる計量器が無く、
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所定よりも多めにアクリル樹脂を溶かしたのが敗因だった。

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予備として、紫外線で硬化する特殊な接着剤も試したが、寒冷下では接着液の粘性が高く、使い物にならない。雪の結晶を一つ投入してみたが、硬化の際に熱を発するためか収縮するためか、硬化後には結晶が消え去っている。

レプリカ液の調合からやり直し。
今回は失敗の記録でした。

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サーシャ・ディジュリアンは何を食べているか

アメリカのトップクライマー、サーシャ・ディジュリアン(Sasha DiGiulian)。

Sasha
彼女の食生活の一端が紹介されました。

What’s Cooking: How Climber Sasha DiGiulian Stays Fueled by ASN 2019.1.23

以下引用開始
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クライマー サーシャ・ディジュリアンは何を食べているか

世界チャンピオンは、遠征中の健康維持のヒントと、お気に入りの超シンプルなスナックレシピをシェアします。

取材:ケイリー・ブラッドストリート(Kailee Bradstreet)

 サーシャ・ディジュリアン(26)は、ロッククライミングの世界ではすでに著名な経歴を誇っています。

 19歳の時には、ケンタッキー州のレッドリバーゴルジュで最も困難なルート(5.14c)をアメリカ人女性として初めて登りました。2017年には、マダガスカルで12ピッチのルートである『Mora Mora』5.14b(8c)から、1999年の初登以来の再登を記録しています。

 最近、ディジュリアンは足首を骨折していたにも関わらず、活動意欲は衰えていません。既に社会的な名声も得た彼女は、制限された環境下においても粘り強くトレーニングを続けてきました。
 私たちは世界チャンピオンに取材し、彼女がどのようにトレーニングし、栄養を補給し、コンディションを整えるために何を食べているかをたずねました。

Q.食事に関する、あなたのポリシーは何でしょうか?特定の考え方や、それに基づいているのですか?

 私は適切に、様々な情報を信じています。主に繊維質が高めの植物性食品、赤身の蛋白質 - チキンとサーモン - を使って、栄養を補給しています。でも赤ワインとクッキーも楽しみますよ。

 特に力を入れてトレーニングするときは、自身に対してそれほどストイックにはなりません。より総合的に - 排除するのではなくて - 食事を摂っています。何より、一日を通して十分な蛋白質と野菜を摂取していることを確かめています。

Q.トレーニング時の食習慣はどんなものですか?トレーニングの中断時には何か変わりますか?

 Pazio Institute (訳者注:民間の健康サポート機関) のスポーツ栄養士であるアレックス・パチノポロスに指導を受けています。習慣としては、朝にレモン、ミント、そして温かい水を最初に口にします。

 ヨガの前または後に緑茶と野菜のスムージーを飲みます。戻ってから朝食をとります。典型的なメニューは、プロテインパウダー入りオートミール、またはフルーツとグラノーラ入りギリシャヨーグルトです。

 一日のうち、日中にトレーニングします。だいたい12時から午後4時にかけてですね。トレーニングの後、プロテインを摂取して、通常は午後7時ごろに夕食をとります。

Q.トレーニングに関しては、食事はどのくらい重要ですか。また、どの程度に柔軟に対応していますか?

 私が自宅にいるときは、かなり自己管理としています。けれど私は遠征に出ることが多いので、厳格な習慣づけは困難です。

 いつもProTecのフォームローラーを携帯して遠征に出ています。出先で必要なものを揃えるのは難しい場合がありますから、Green Vibranceパウダーや同様の製品も一緒に持って行きます。パーソナルブレンダー(訳者注:小型のミキサー)を持ってきます - 私は最近BlendJetを買いました。

 トレーニングは4~8時間、週に5~6日トレーニングし、ほぼ毎日ストレッチを行います。週に3回はヨガを行い、週に4~5回はカーディオ(エアロバイク等を使用した有酸素運動)を行います。

Q.岩場に行く時の食事や行動食は何ですか?その理由は何ですか?

パーキージャーキーPerky Jerkyは、高蛋白で美味しいので、私にとって満足な行動食です。

サーシャのナッツ・オーツ・ハニーバー

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私はよく自分でナッツバーを作ります。ナッツとオート麦をベースにして、デーツ(ナツメヤシ)や蜂蜜で固めてます。

材料
- カシューナッツ 1カップ
- オート麦1カップ
- プロテインパウダー2杯(以前はPaleo Proを使用していました)
- レモンの皮 大さじ2
- ココナッツオイル 大さじ2
- ココナッツフレーク 1/4カップ
- 乾燥スグリ 1/4カップ
- ドライクランベリー 1/4カップ
- メープルシロップ 大さじ1
- 蜂蜜 1/2カップ

作り方
- 材料をすべてフードプロセッサーに入れて砕きます。
- 一緒に鍋に入れます。
- 冷凍庫に保管して、エネルギー補給が必要なときに使って下さい!

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以上引用おわり

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テント泊&ひっぱりうどん

 山形県朝日少年自然の家企画 『イグルー作りと冬遊び』 にボランティアスタッフ参加。
 冬季の体育館にテント泊し、雪遊びを楽しむ企画である。

 昨年から始まった企画、研修担当のJさんから冬季テント泊の装備など色々相談を受けていたのだが、昨年は肝心の宿泊のみ参加できず、大変申し訳ない思いをした。
 今年は遅れて初日夜から参加。
 私も冬季の体育館泊を、参加者の皆さんと共に体験することを志願する。

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会社の仕事を終え、夜8時前、少年自然の家到着。
体育館には、参加者のテントがずらり。
テントの下には銀マット、毛布を敷き詰めて床からの冷えを防いでいる。

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私はオープンビバーク風に、サーマレストのマットを敷いて冬季用シュラフでごろ寝で夜を過ごす。

仕事の疲れもあって爆睡。
朝4時、登山用に携帯している温度計で床面付近の気温を測定すると気温4度。
5時頃にはエネルギーあふれる子供達が目を覚まし、「くそさむい~」といいながらストーブの周りで遊び始めた。

朝、テントの整理を手伝いながら、参加者に眠れたかどうか、寒くなかったかどうか尋ねてまわる。
あるお母さんは持ち込み&配布されたホッカイロを身体に貼って眠れたとのこと。
小さな女の子は「暑かったー」と言う。
寒さをしのぐため、段ボールを持ちこんできた方、マイシュラフを持ち込んだ方など、色々工夫されていた。

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午前中のイベントはチューブ滑り。
いつものように、大人も子供も夢中になる。

チューブ滑りが終わった後、滝口支配人やスタッフの今野さんからコース作成の苦労話を伺う。参加者の楽しさ・スリルを保ちながら安全を確保するそのご苦労に頭が下がる。

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行事の締めは、郷土料理「ひっぱりうどん」。
茹でたうどんに、サバ缶、納豆にネギ・一味・ゴマ等の薬味を加えて食す、山形風のうどん料理だ。
山形県内でも各地方・各家庭で微妙に味付けが異なる。
親子参加がほとんどの今回、「あっ、ウチのひっぱりうどんは・・・」と、お互いの家庭の味付けでお父さんお母さん同士で会話が盛り上がる。

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私とボランティアスタッフ仲間のはじめさん、初参加の高校生・小林さんと3人でうどんを分け合う。
私の味付けはサバ缶のサバ、缶の汁、ネギ、一味、大量のゴマにそばつゆをかけ、そこに茹でたてのうどんを入れて食す。
納豆は、水分が加わって豆のヌルヌルが取れるのが嫌なので入れない主義。
そうやって食べていると、はじめさんからも「いや自分も・・・」と納豆が豆豆になるのが嫌、納豆は別に食べるとおっしゃる。
Le
おおっここに同志が!
(納豆王国・山形ではひっぱりうどんに納豆は欠かせないことになっている)

今回も楽しく過ごした子供達・保護者の皆様を見送る。
でも思う。
いつかは子供達に、雪の屋外でのキャンプを体験してほしい。

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