1960年の中国隊によるチョモランマ北面初登が、中国で映画化されることになりました。
吴京《攀登者》新剧照流出!胡歌加盟 by NEWS MTIME.com

1960年、チョモランマ北面からの登頂に成功した(左から)屈銀華、貢布、王富洲
中国メディアでは、撮影の模様と映画の静止画像が公開されています。


映画のタイトルは『攀登者』 (クライマー)、建国70周年にひっかけて映画化された模様で、バリバリ国威高揚な内容になりそうな予感。
中国映画といえば、人の不幸の切り売り映画のような社会派映画が日本で上映されてきましたが、最近は娯楽超大作が多いようですね。
今回の映画化に際し、主演は中国の超人気俳優で監督業もこなす吴京(ウー・ジン)。
過去に出演・監督したアクション映画『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』は興業収入1000億円、近未来の地球終末を描いたSF大作『流浪地球』は公開一週間にしてチケット売り上げ約200億円という化け物映画。
ちなみに日本の興業収入歴代一位の『千と千尋の神隠し』が308億円。
中国メディアによればウー・ジンの三部作として『攀登者』が位置づけられています。
筆者が注目したのは、1960年の登山隊の映画化よりも、中国のQ&Aサイトの記事。
以下引用開始
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エベレスト山は中国・ネパール国境に位置しています。
今やエベレスト山の主権は両国に属していることは常識となっています。
しかし1950年代、中国とネパールの間で論争がありました。
国境交渉の際、中国は国境線をエベレスト山の頂上に置くことを提案しました。
しかしネパール側は、エベレストは完全にネパールにあり、中国とは関係がないと主張しました。
「中国人はエベレスト山に登ったことがなく、エベレスト山は中国の領土とみなすことはできません。」
1953年5月29日、ネパールのテンジン・ノルゲイとニュージーランドのエドモンド・ヒラリーが南面からエベレストを登り、史上初のエベレスト登山隊となりました。
これは外交交渉において、ネパール側にとって重要な交渉カードとなった。
そして中国はエベレスト登山計画を開始しなければなりませんでした。
登山は成功しました。そうでなければ、エベレストはその名前を変えなければならないかもしれません。
1961年10月5日、中国とネパールは正式に国境条約に調印しました。そして、エベレスト山北面の主権は中国に帰されました。
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中国のQ&Aサイトの記事ですが、8000m峰の登頂という行為が国威高揚どころではなく、外交交渉に用いられたという興味深い事実が伺えます。

まあ中国共産党の強力なバックアップの下で、1960年の中国隊がどのように映画化されるのか注目です。
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