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メスナー先生は野外コンサートが嫌い

 イタリアの著名な歌手ジョバノッティ(Jovanotti)が今夏、イタリアのボルツァーノ、南チロル地方の山岳地帯に位置するPlan de Corones(標高2275m)で野外コンサートを企画したところ、ラインホルト・メスナーが開催反対を声明しました。

Messner contro il concerto di Jovanotti aPlan de Corones. Il WWF: nessun impatto sull'ambiente  by Montagna.tv 2019.4.8

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歌手ジョバノッティ(Jovanotti 左)とラインホルト・メスナー(右)Photo by ANSA

 

 ラインホルト・メスナーは「私に(コンサートを)禁止する権限は無いが、可能であればそうするだろう」と発言、コンサートを山で開催すする必要は無い、と断言しています。

 その反対声明の背景には、コンサート開催場所のPlan de coronesにはメスナーの山岳博物館があること、イタリアの日刊紙Repubblicaのインタビュー記事では

「我々は静寂を求める。それはただ騒ぎをもたらすだけだ。私はジョバノッティをアーティストとは思わない。彼のことはよく知りませんが、夏に私たちの山の頂上でコンサートを開くのは意味が無い。それは必要ないということです。」

 と、かなり強い調子で反対を唱えています。

 イタリアメディアの論調は見事に賛否が分かれています。

 世界自然保護基金WWFの見解は、もともとコンサート開催地はスキー場でシーズン中は数十万人、夏でも数百万人単位の観光客が訪れること、コンサートでは参加者は徒歩および既存のリフトによる入山を行い、環境への影響は問題ないことを示唆しています。

 地元自治体の市長や関係者もコンサート開催は経済効果を理由に関係の方針を打ち出しています。

 また、既にイギリスのアーティスト、トム・ウォーカーが同じコンサート開催予定地で既に観客1万人規模のライブを開催している事実があります。

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Plan de coronesで開催されたトム・ウォーカー(Tom walker)のライブの模様

 

 歌手ジョバノッティは日本であまり知られていませんが、地雷・エイズ撲滅などの社会活動でも知られ、作家としても活躍する社会派アーティスト。

 現在メスナー先生やや形勢不利の状態。

 ラインホルト・メスナーといえばいまだに「登山家」のイメージしか持たない山屋な皆さんもおられるかもしれませんが、彼の地ではドイツのメルケル首相とも親しい政治家であり、発言力は「登山家」のそれを遙かに超える存在であります。

 ジョバノッティは自身のFBでメスナーに反論を試みてますが、両者の対立は変わらぬまま、コンサート開催を迎えそうです。

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