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謙虚であり続けるのは難しい

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筆者愛用のBD社レイブンウルトラのブレード 

 ガイドで月山山頂を往復したときのこと。

 休日で混雑する月山山頂小屋の前での事だった。

 人がやっとすれ違える狭い道で、某旅行社の団体ツアー一行が来たので道を譲る。

 最後尾のガイドらしき女性とすれ違った時、なにか光るものが見えたのでとっさに身をかわす。

 彼女はザックのピッケルホルダーにピッケルをくくりつけていた。カバーもせず、鋭利なブレードがむき出しではみ出たままに。

 石垣に挟まれた狭い登山道、しかも登山者で混んでいる休日でのその格好に怒りを通り越して呆れてしまう。

 意識高い系の登山者の皆さんにはすみませんが、多人数のお客様を前に行程説明中の同業ガイドを怒鳴りつける勇気は無く、私もお客様と共に移動中だったのでその場を離れた。

 いや、冗談抜きで黒澤映画『椿三十郎』の仲代達矢みたいにブレードでバッサリやられるところでした(ネタバレですんません)

 下山後、気持ちも落ち着き、思ったこと。

 

 ガイドは山の中では、立ち居振る舞いを他人から見られる。自分も気をつけよう。

 

 インターネットのスポーツ記事って質の低い記事も多いのであまり読まないのだが、最近ダイヤモンドオンラインの『なぜ大坂なおみは急に世界で勝てなくなったのか』という記事に感銘を受けた。

 最も印象に残ったのは、次の一節である。

『謙虚であり続けるのは難しい。だが、謙虚さを失った者の多くは、足下をすくわれる。どこかに隙が生まれ、常勝を呼び込む流れにほころびが生じる。』

 ガイドの資格をいだたき、年数が経った。私は未だに下っ端ガイドのつもりでいるのだが、最近はガイド協会会員加入の推薦を頼まれたり、少年自然の家はじめ登山講師を頼まれたりする。時折自分の高慢さを戒める時もある。

 人の落ち度をあげつらうよりも、自分も気をつけよう。そう言い聞かせた、夏山登山の1日。

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ちなみに私はピッケル(アックス)を装着するときはザックのピッケルホルダーは使わず、サイドポケットに刺しています。

学生時代、ピッケルを所持して大型ザック姿で山手線や混雑する新宿駅を往来することが多く、若さゆえ・未熟さゆえに苦い経験もしました。そのためカバーしていたとしても石突やブレードが人の顔に当たらないよう注意していました。

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カバーはマジックマウンテン社の薄手ナイロンのカバーを愛用。これなら行動中に急に必要になっても、かさばらずズボンのポケットに収まるため使い続けています。

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