« 【悲報】ミック・ファウラーが | トップページ | メンタルの弱さ、強さ »

韓国人は山女で日本を知る

日韓関係が最悪といわれる今、大石明弘著『太陽のかけら』が韓国で出版されることになりました。

“그녀의 에너지가 여러 사람들에게 전해지길” by mountainjournal 2019.10.18

Tai_20191119144001

上記リンク記事では著者の大石氏が訪韓、インスボンやソニンボンを出版関係者らと登り交流する様子が報じられています。

韓国の翻訳者は、日本の登山界に精通したキム・ヨンド氏。

氏は韓国では「親日派」と呼ばれています。まことに残念ながら、韓国で親日とは、日帝時代に協力した裏切り者という蔑称。

キム・ヨンド氏は大島亮吉の本で登山に目覚め、韓国初のエベレスト登山隊隊長を務めた韓国登山界の重鎮。日本の山岳書に関しては古典から山野井泰史氏の著書まで熟知。韓国の冒険家が史上初と銘打ってグリーンランド縦断を行った際には「日本の植村直己が既に達成している」と韓国メディアで主張した気骨ある、日本の良き理解者。これ以上の翻訳者はおられますまい。

 この韓国語版『太陽のかけら』を出版する「ハルジェクラブ」なる団体。

 以前から韓国ではベルナデット・マクドナルド女史の著作はじめ、ジョン・ポーターによるアレックス・マッキンタイアの伝記『One day as  a tiger 』などの山岳書が凄いペースで韓国語訳されており、版権取得などどうなっているのか不思議でした。

 このハルジェクラブなる団体は大韓山岳連盟のメンバーを中心に会員制で資金を集め、その資金を元に欧米で出版されている優れた山岳書、古典、最新本問わず次々と翻訳、韓国国内に送り出していました。

 韓国には山岳書を専門に扱う「韓国山書会」も存在します。日本人と韓国人の気質を巡って「集団戦は日本人が得意」などと言われますが、山の本に関して日本人は韓国人に一歩も二歩も遅れをとっていると言わざるをえません。

 さて日韓関係が悪化し始める2019年始め、日本のメディアではチョ・ナムジュ著『82年生まれ、キム・ジヨン』という小説がとりあげられ、韓国社会の様子が話題になりましたが、同時期に韓国メディアで話題になっていたのは、韓国語版が出版された湊かなえ著『山女日記』。

Kim Yama_20191119145901

私は『82年生まれ・・・』は未読ですが、山女日記の方は再読してみました。

 アマゾンでも賛否が両極端に分かれた「山女日記」、読んで私も「女はめんどくせえ」と思う一方、兼業ガイドの私でもツアー中の女性たちの様々な人間模様をみてきたので「まあ、あんな話もあるよな・・・」とも感じています。何より、山のフィクションでありながら自分のロープ切ったりせず(笑)誰も死なないところがいいです。

 ちなみに湊かなえ氏は、この「山女日記」韓国語版出版のため、渡韓し韓国メディアからインタビューを受けています。

 来年初め韓国で出版予定の韓国語版『太陽のかけら』、そして既に話題の韓国語版「山女日記」。

 韓国の一般市民が登山に関わる日本女性を通じて、フィクション、ノンフィクションの両方で日本社会を知るというのは興味深いことです。

|

« 【悲報】ミック・ファウラーが | トップページ | メンタルの弱さ、強さ »

山岳ガイドが読む本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【悲報】ミック・ファウラーが | トップページ | メンタルの弱さ、強さ »