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後ろを振り向いてはならない。 真室川町 病追い(やまいぼい)

11月9日夜、山形県 真室川町 ふるさと伝承館へ。

真室川町平枝地区で現在も続けられる伝統行事『病追い(やまいぼい)』を見学させていただく。

家の中に「病」が入らないように、家の中の「病」を追い払うために、餅をつき、餅を入れた藁人形を集落外れの水田に置いてくるという伝統行事です。

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 真室川町教育委員会を通じて地元区長様にもご紹介いただき、行事が始まる18時に訪れてみると、大人たちによる餅の杵つきが始まる。

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大人たちの手であらかた「こね」「杵つき」が終わってから、子供達による餅つき。

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つきあがった餅は藁つとに入れ、藁人形に背負わせる。

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 藁人形は2体作られ、子供達が持つ。

 この集落の子供達が行列を作り、一度集落の端まで移動。

 それから番楽の演奏と共に夜の集落を練り歩きます。さすが番楽の盛んな地区、先ほどの餅つきで「腰が痛い・・・」「明日筋肉痛だな・・・」とつぶやいていた若いお父さん方も、行列ではキリッとした表情でお囃子の横笛・太鼓を鳴らしていて格好いい。

 カメラが不調のため完全に収録できなかったが、餅つきから行列が練り歩くまでを動画に記録しました。

  夜の闇の中、刈り取り後の水田に棒を立て、藁人形を固定します。

 皆が「ほーっほーっ」と叫び、誰かが「ああ、これで病が飛んでった」とつぶやきました。

 それから大人達が子供達に

 「戻るぞー、絶対 う し ろ ふ り む く な よ ー!

 そうです、藁人形をたてた後は後ろを振り向かずに戻らなければならないという禁忌があるのです。私は見学のため、行列の最後を歩いていましたが、皆一斉に振り向かず、ふるさと伝承館にもどっていきます。

 「病」という「悪いモノ」を集落の外に追い出し、絶対に振り向かずに戻ってくるという習わしに、黄泉の国を訪れたイザナギの神話を連想させられます。

 地元の方に伺うと、藁人形はそのまま朽ちるに任せて放置しておくとのこと。基本的に「病」を封じ込めた藁人形なのであまり縁起の良いものではないらしく、地元の慣習を知らない新任の若い先生が、歩くスキーの授業で藁人形の立つ水田に近寄りそうになり、みんなが慌てて止めた、なんてエピソードもお話してくださいました。

 今回の行事、餅つきで用いた餅米は5升。行列が戻ってからは地区皆さんの直来となり、私は行列の見学にとどめさせていただき、退出。

 古い伝統行事が地区総出で大事にされている姿に感銘を受けた夜でした。

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