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やさら流し 山形県遊佐町 樽川地区 令和2年4月4日

山形県飽海郡遊佐町には、月遅れの節供の行事として藁人形を川に流し「災厄送り」とする行事「やさら流し」が伝承されている。


「やさら」とは八皿とも弥皿とも書く。樽川地区では八皿と書く。由来・起源は明らかではない。ヤマタノオロチ退治に用いられた八つの酒樽になぞらえた、八種類の料理を備えるから、など諸説ある。


 月山から下山してそのまま樽川地区を訪れる。17時45分、集落中央部の三差路に皆さん藁人形を持って集合されていた。


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樽川地区は全戸数17戸。皆顔見知りだ。


この日は遊佐町広報担当の方、山形新聞の記者、荘内日報の記者、そして私が撮影機材を抱えて集まっており、女性の方からは「これから着替えてこようか」との言葉が出て笑いを誘う。


 伝統行事はどこでもそうだが、集まった住民の方は年配の方が中心。


 平成16年発行の山形県教育委員会による行事調査報告書では多くの子供たちの姿が写真として掲載されているのだが・・・住民の方からも、


「外孫でも連れてくるといいっけか?」と声が聞こえる。


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 樽川地区の「やさら流し」で用いられる藁人形。背丈は30cmほど、赤い椿が頭上に飾られる。背中には御馳走の入った「わらつと」を背負う。


 各家庭で藁人形を作り、お膳やお神酒を捧げられてから行事に持ち出されるのだ。


 18時少し前、「はじめましょうか」とゆるく行事は始まる。


 鐘と太鼓の拍子と共に、皆さん声をそろえて


『やっさらにんぎょう おくんぜ どこまでおくんぜ さんどがしま(佐渡島)までおくんぜ』と唱えながら集落を歩き、近くの洗沢川へ行く。


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 最後にあらためて唱え歌を歌い、一斉に藁人形を川に放る。災厄を川へ、海へと流すのだ。


 おりしもコロナウイルスが猛威を振るう日本。


 近くの平津地区では大きな藁人形を作り、若衆がお神酒を飲みながら藁人形を担ぎ出す行事なのだが、今年は神事のみだと伺った。


 帰路、歩きながら世話役の方から樽川地区の成り立ち、やさら行事のことなど色々伺う。


 樽川地区では、現在2~3歳の子供しかいないとのこと。


 それでも、年配の方を中心に途切れずに「やさら流し」が継続されてきたことは、地区の方々の平安な生活を願う「祈り」の賜物だろう。


 樽川地区の子供たちが大きくなる頃、どんな世の中になっているのだろうか。


 この日記録した動画はこちらです↓



コロナウイルス蔓延が問題となっている中、部外者の見学を快く迎えてくださった樽川地区の皆様のご健康をお祈りいたします。

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