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会津山岳会発行『すかり 小谷部明追悼号』

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 ご縁があり、郡山在住の登山家 保坂昭憲氏より会津山岳会発行『すかり 小谷部明追悼号』を送っていただいた。

 故・小谷部明氏は2018年に北日本海外登山研究会K2登山隊を隊長として成功に導き、2019年2月、中央アルプス宝剣岳で亡くなられたクライマー。

 室蘭工大ワンゲルOBである氏は山スキーと沢を得意とし、会津山岳会でも存分にその才能を発揮。

 それだけでなく日本山岳耐久レース、山岳スキー競技会、MTBオリエンテーリング世界大会など、狭い分野にこだわらず貪欲に活躍していた。

 驚かされるのはその几帳面さと研究熱心さ。厚い追悼集の大部分を占める小谷部氏自身による手記は、失敗も成功も、まるで医師のカルテを覗いたように (いや、たとえでして、私医師のカルテ読んだことないけど) 冷静に綴られている。

 その生涯で3度挑んだK2登山の記録。初めての遠征では高所順応に苦しみ、周囲のメンバーとのプレッシャーを感じながらも、決して自分のペースを乱すことなく行動している点に、強靭な意思が現れているといえよう。

  また、このような会報を出版物として発行できる会津山岳会の「地力」に敬意を表したい。

 かつて『山と渓谷』、『岳人』の数ページを彩っていた「山岳団体の会報紹介」のページは各団体の動向を知る手がかりとなっていたのだか、WEB全盛の今では知る人も少ないのではないだろうか。

 紙の出版物なんて古いと言われそうだが、近年になってニフティやヤフーがホームページサービスから撤退し、貴重な山行記録がWEB上からあっさりと消えている現実を思えば、そうとも言えまい。

 まだまだ活躍が期待される年齢であった故・小谷部明氏にあらためて哀悼の意を表します。

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