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追悼 服部克久氏

彼女もいない、21歳の寂しい夏、私は初めての8000m峰登山に赴いた。

当時は「中国登山」というくくりで、北京、成都で共産党幹部らと交流会と称する中国酒の飲み会をくぐりぬけて、ようやくチベット自治区ラサに入るという行程だった。

ラサから車で3日間走り続け、ようやくベースキャンプに到着。

その3日間、専属の中国人ドライバーが運転するランドクルーザーに乗りながら、暇つぶしは音楽を聴くことだった。

休憩地点で、高橋OBから

「大滝ぃ~、なんかテープ貸してよ」

「え、高橋さん、喜多朗のシルクロード聴いてたんじゃないすか? 」

「うーん、音楽が周りの風景に負けちゃうんだよね」

こんなやりとりの後、私が持ち込んだテープ(当時はカセットテープ全盛)からTBSの紀行番組「新世界紀行」のアルバム版を貸してあげた。

服部克久氏作曲の「自由の大地」は結構好評だったと記憶している。

哀愁を帯びた旋律から始まり、希望に溢れるメロディへと変わる曲調が素晴らしい。

 

私のチベット行きをさかのぼる2年前、東崑崙山脈最高峰ウルグ・ムスターグ峰に立正大WV部登山隊が第2登、外国人初登を果たし、その登山隊の記録はTBS「新世界紀行」で2週にわたり放映された。

 

部室が無かった山岳部員の私は、WV部部室に居候という立場で出入りさせてもらっていた。顔見知りの仲間たちが崑崙山脈で活躍するのを視聴しながら、「いつかは俺も・・・」と思ったことは言うまでもない。

 

そして番組の最後に流れる「自由の大地」。
この曲を聴きながら、幾度も見知らぬ土地への憧れを掻き立てられた。

 

服部克久氏のご冥福をお祈りいたします。

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