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パタゴニアの沈黙

Afp

Photo by AFP

「クソ野郎を落選させろ」

という品格の欠片もない言葉を商品のタグに付けて話題となっているパタゴニア社。

アメリカメディアはトランプ政権の環境政策を解説しながら、おおむね賛同の記事を掲載しています。

 しかしアメリカ世論が皆リベラル派な訳ではなく、アメリカの保守派週刊誌『Nationalreview』誌、政治部記者のJim Geraghty氏 がパタゴニア社の「影」を突いた記事を掲載しています。

That Big Military Contractor . . . Patagonia? by Nationalreview 2020.9.16

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Joint

2020年7月9日、ワシントンD.C.で下院軍事委員会の前で証言するマーク・ミルリー統合参謀本部議長(ロイター)

 昨年、パタゴニア創業者でありセレブなイヴォン・シュイナードが「私は社会主義者だ。それを誇りに思う。ほんの数年前、バーニー・サンダースが掲げるまで、それは汚い言葉だった」と言い、Fast Company誌インタビューで、「ベネズエラは社会主義国ではない」と主張したことを書いた。シュイナードの顔は、目を引く見出しとともに、雑誌の表紙を飾った。"資本主義は死んだ。資本主義は死んだ。"

 今日(こんにち)まで知らなかったのは、パタゴニア--"弁解せずとも政治的 "な企業であるが、米国防総省と長年契約している企業でもあるということだ。
 2018年5月、軍用品業界紙SoldierSystems.netは、「パタゴニアには専用部門があり、保護戦闘服プログラムのプライムプロバイダーとして、アメリカ製防寒服・戦闘服を納入し、USSOOCOM(アメリカ特殊作戦軍)のサポートに注力している "と指摘する。

 パタゴニアのPCU(訳者注 Protective Combat Uniformの略)をよく知る人でも、どれほどの期間にわたり軍をサポートしてきたかは知らない。私とパタゴニアとの関係は1980年代後半にさかのぼり、第3ID長距離監視部隊に配属されたときのことだ。潜伏中に寒さをしのぐため、紺色の厚手パイルスーツと、左胸にロゴ入りポリプロピレン製の長袖肌着を支給された。間もなく、これらの衣服のコピーが米陸軍の寒冷地用ウェアシステムに含まれた。ナイロン製の胸ポケットに至るまで。

 90年代を通じて、SOF(特殊部隊)は過酷な環境で使用するためにパタゴニアの特別なウェアを支給していた。しかしパタゴニアが国家の要請に応え、SOFのために衣料システム全体の開発に着手したのは、対テロ戦争(訳者注 アメリカ同時多発テロ以降の対テロ作戦を示す)になってからのことだった。

 7月には、警察機関と契約を結ぶアパレル企業に関する記事の中で、GQ誌のサム・ライスはこう指摘する。

「パタゴニアの戦術衣料品部門であるロストアローは、さらに密接な関係にある。衣料品(オーバーオール、ソフトシェルジャケット、ネックゲイター、アーミーグリーンまたはグレー)には、ロストアローのブランド名はなく、「PATAGONIA TACTICAL *GOV'T SALES ONLY*」と表示されており、販売はタクティカル・ディストリビューターというウェブストアだけである。(中略)」

 パタゴニアが米軍向けに高品質のエクストリーム・ウェザー・ギアを開発・販売していることに、多くの人々は何ら問題ともしないだろう。多くの企業は、世界で最も過酷な条件の中で働く、世界で最も過酷な兵士たちのため、自社ウェアは十分優れていると延々と自慢するだろうが、パタゴニアはそのことに関してはほとんど口を閉ざしている。しかし、パタゴニアの顧客の中には、米軍を本質的に帝国主義的または破壊的な勢力と見なしているリベラルな顧客もいる。パタゴニアの軍事契約を容認できる罪とは思っていないかもしれない。

自称「社会主義者」の億万長者が率いる企業の中で、リベラルかつ進歩的な大義への支援を使命の一部としながら、軍事契約を結んでいる企業がどれだけあるというのだろう?

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 パタゴニアはそのことに関してほとんど口を閉ざしている。(記事中より)

 私自身は当ブログで前々から主張しているように、「国防は国家の要」だと考えてますので、パタゴニアが軍用品作ろうが驚きません。以前にブログ『雪山大好きっ娘。』さんとギアの話題に触れた際、世界各国の有名アウトドアブランドの軍需産業生産率が高いことを知り「え、そんなに?」とむしろ驚いた方でした。

 上記記事を掲載している『nationalreview』誌は、日本の『正論』をさらに強硬にしたような保守派誌です。

Pataパタゴニア社が誇る米軍仕様ウェアのラインナップ

 ちなみに私が知る限りでは、パタゴニア社が直接これら国防省に納める軍需品を生産しているわけではなく、生産は提携会社であるPeckham Vocational Industries が担っています。

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