【母よあなたは】The Sharp End of Life: A Mother's Story【強かった】
9月14日、アレックス・オノルドとサンニ・マッカンドレスの挙式が湖のほとりで執り行われました。
ちなみに司会進行はトミー・コールドウェル。
どうぞお幸せに。
今春から、
ディアドル・ウォロニック・オノルド著『THE SHARP END OF LIFE』を読み進めてました。
58歳でクライミングを始め、エルキャピタン登攀最高齢記録を果たし、マラソンにも挑戦する女性。
大学での勤務の傍ら、オーケストラ演奏にも力を入れる才女。
そうです、アレックス・オノルドの母親の自伝です。
出版当初はよくある「意識高い系で全てに意欲的・ポジティブな女性の本かなー」とスルーしていたのですが、スペインのDesnivel掲載・女性クライマーを主題とした書籍の推薦記事で絶賛されていたので、読んでみることにしました。
ディアドル・ウォロニックの旦那様(アレックスの父親)は書き方に注意を要しますが、発達障害を抱えた個性的な性格の持ち主で、それゆえ結婚生活が破綻していきます。
ディアドル・ウォロニックは日本との関りが深く、大学研究職のため、夫婦で日本に長期滞在。
ディアドルは積極的に、雑誌や新聞を頼りに地元のママさんサークルを探し当て、日本の生活に溶け込んでいきます。
現在のお住まいにも和室があり、日本産のカエデを庭に植樹しているとか。旦那はその性格故に東京のゴミゴミした雰囲気が好きになれず、東京の花見で込み合う風景もお気に召さなかったようです。その直後に旅で訪れたオーストラリアではイキイキしていたと書かれています。
アレックスがまだ小さい頃、クライミングジムで危なっかしいことをやり、近くにいた女性から
「あんた自分の子供をコントロールできないの?」
と言われてしまいますが、この言葉がディアドルには非常にひっかかったことが描かれています。そこには、自分の子供を「独立した人格」として扱うディアドルの生き方への想いが表れていると言えるでしょう。
非常にポジティブな人生を描いた本として欧米で評価が高い同書。それは否定しませんが、旦那様との結婚生活の暗い話に延々とつきあうことになりますw
結婚生活って難しいですね。
私も二回目に結婚するときは辺境旅行に一緒に行っ(以下省略)
ツイッターではアレックス・オノルドの挙式にお祝いのメッセージがあふれてますが、同書を読んだ直後だけになかなか複雑な思いでした。
あらためて、アレックス・オノルドとサンニ・マッカンドレスの幸せをお祈りいたします。
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