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石油・ガス産業の何が悪いのか

 アメリカ・テキサス州で石油・ガス開発事業を手掛ける企業Innovex Downhole Solutions が、従業員へのクリスマスプレゼントとして会社ロゴ入りのノースフェイスジャケットを企画したところ、ノースフェイス社からジャケットの注文を拒否されました。

 拒否の理由は、同社が「ポルノやタバコ業界を拒否するのと同様に、石油・ガス業界を応援しているとみなされたくない」という理由でした。

North Face turns back on local oil and gas company  by CBS 2020.12.11

Cbs

CBS7 ニュース番組でインタビューに応じるInnovex Downhole Solutions CEO アダム・アンダーソン氏

ノースフェイス社の対応に対して、Innvex Downhole Solutions CEO アダム・アンダーソン氏は、

「彼らが奨励するレクリエーション活動の全てのギアを生産するためにはハイドロカーボン、炭化水素を必要とします。人々が実行したい、あらゆる活動に必要な手段を提供するものです。それは私たちが行う業務と密接に絡み合っています。」

 氏がノースフェイス社に見解を求めたところ、返事はありませんでした。氏は怒りよりも今回の件が「石油とガスの重要性について議論形成に役立つこと」を願っているとのこと。

 私はアウトドアライターのおぼっちゃん・おじょうちゃんどもと異なり、類似した業界で現場作業に従事する人間ですので、今回の件では当然Innvex Downhole Solutions CEOの冷静な反応を支持しますよ。

 急進的な「改革」とやらは結構ですが、偏見に晒される多くの労働者を見捨てる「改革」は、クルクルパーな自己満「自然保護」論者を満足させるだけでしょう。

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コメント

 災禍の師走、お疲れ様でございます。

 「注文を拒否された」の詳細な状況が大変気になります。
一部の営業担当者の判断なのか、全社の意志なのか?です。
 かつて、私は、ある機械の整備解説書を販売店に注文したところ、
「個人客には販売しない」と言われました。
結局は、注文を受けた人の判断間違いで、後日、入手できました。

 アダム・アンダーソン氏の件については、ノースフェイス社の対応として広まった以上、
大滝様は、どのような姿勢を取られるのでしょうか?
 今後、ノースフェイス社の製品は一切使用しないのか、製品に罪は無いから、
良い製品と判断すれば購入し、使用されるのでしょうか?

 私は、ノースフェイス社のような広告に頼る販売会社は、
ライターのおぼっちゃん・おじょうちゃんどもが勘違いして、
石油・ガス業界を応援していると書きたてることを恐れたのだろうと思います。
また、そのような記事に左右される消費者が多いのだと思います。


投稿: nishimura | 2020.12.20 11:45

nishimura様

コメントありがとうございます。

<<一部の営業担当者の判断なのか、全社の意志なのか?です。

 おそらく全社としての意志ですね。
 その後ワシントンポスト紙なども大手紙もこの話題を取り上げ、同紙がNF社に取材した結果、NF社は「製品の注文については持続可能性と環境保護に関する我々の目標と一致することを確認したい」旨の声明を出しています。
NF社の親会社(持ち株会社)が環境保護を強力に推し進めている姿勢であることも報じられ、末端の営業担当者の判断では無いようです。

<<どのような姿勢を取られるのでしょうか?

 私はノースフェイス信奉者なもんで、過去の海外登山でもアウターはノース社製品を選んで着用してました。今回の報道は結構ショックですね。今は夏用帽子しか同社製品使ってないんですが、愛用しているのでたぶんこれからも使い続けます。これが質問の回答です。ご期待に添わない回答かもしれません。私、そんなに信念のある人間ではないので・・・

<<私は、ノースフェイス社のような広告に頼る販売会社は、

 今回の件、私自身が建設業でも掘削関係の仕事に就いていること、日本国内でも希少な石油開発に携わる方々と仕事した事もありますので、ちょっと感情的になったかもしれません。勤務先が再生可能エネルギーに関わることもあり、いわゆる「脱炭素社会」「持続可能性社会」という海外の情勢も触れています。
 
 現地アメリカでは主要大手銀行が北極アラスカの石油・ガス開発に関わる企業に融資しないなど、社会的にも石油・ガス産業が厳しい立場に置かれていることも重々承知しています。

 それでもなお、わずか数百着・数百名のユーザーをあっさりと切り捨てる以外に、「持続可能性」「環境保護」を推進する方法は他にもあるだろう、というのが私の感想です。

 そういった意味で、ノースフェイス社はnishimura様がコメントの最後に書かれたような「消費者」(またはその陰にいる株主)の存在を恐れていたのかもしれません。

投稿: 大滝勝 | 2020.12.20 18:40

大滝 様

 早速の、ご丁寧な返信をありがとうございます。
>>ご期待に添わない……
逆でございます。

 山で、指導的立場の者は、信頼できる装備を選択すべきと、私は考えます。
 信頼に足るメーカーをお持ちであることを、羨ましく思います。

 取り急ぎ、先のコメントの補足です。

投稿: nishimura | 2020.12.20 19:15

大滝 様

 問題の本質は、石油・ガス産業が「持続可能性」「環境保護」に反するかどうかだと思います。
しかし、NF社のように積極的にメディア露出を求める販売会社にとっては、
本質ではなく、多くの「自分では考えようとしない消費者にどう見られるか」なのだと思います。

 情報が溢れる現代において、消費者は自分で考えようとしなくなったのだそうです。
 山岳雑誌での遭難記事を読むにつけ、世も末だと思います。(道に迷っただけで、携帯電話の救助要請など)

 個人的には、「消費者」(またはその陰にいる株主)の存在を恐れるメーカーからは、良い製品が生まれるのだろうかと、疑問を持ちます。

 有名ブランド品(NF社含む)を購入できない貧乏人の戯言かもしれませんでした。
 ありがとうございました。

投稿: nishimura | 2020.12.20 22:19

nishimura様

<<問題の本質は、
石油・ガス産業は残念ながら利益を生み出すプロセスにおいて様々な弊害・自然界への影響があることも現実です。
 また、そこから生み出される安価な化学繊維がアウトドアを楽しむ大衆を支えているのも現実です。
 最近「人工クモ糸」をうたうベンチャー企業がチョロチョロしていますが、数万円以上するTシャツなんぞ誰が使うのか?
 ただアウトドア各社も様々な技術で脱・石油繊維を目指してしのぎを削ってますので、いつかは代替製品が石油製品にとって代わる時代が来るでしょう。私はそういう時代を迎えるには急進的な改革よりも「ソフトランディング」が望ましいと思っています。

<<情報が溢れる現代において、消費者は自分で考えようとしなくなったのだそうです。

 話題の本筋から外れるかもしれませんが、最近の山岳雑誌の丁寧な道具紹介記事を読むたび、懇切丁寧なのはいいけど、道具と出会う喜びも薄れるよなあ、と感じています。

<<有名ブランド品(NF社含む)を購入できない貧乏人の戯言かもしれませんでした。
 いえいえ、有名ブランドでなくとも良い製品ってあると思うんです。そういう道具・衣類との出会いもまた、登山の楽しみの一つだと思っています。

 またお気づきの点ございましたら、お気軽にコメントお寄せください。

投稿: 大滝勝 | 2020.12.21 23:02

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