西洋文化とチベット文化の融合

おちゃらけ路線が基本の当ブログでは、ウクライナ侵攻のような凄惨な報道には耐えられないので話題変更。

西洋文化とチベット文化の融合!!

インドのピザハットがやってくれました!

Momomia 

ピザにチベット餃子「モモ」を融合させた新商品『MOMO MIA!』ピザ。

マンマミアをもじったピザ、マーケティングの結果、ピザも喰いたいがモモも喰いたいという消費者の要望に応えてインドのピザハットがパンデミックの間に開発した商品。まさに「とってつけた」ようなモモが美味しそうな『MOMO MIA!』ピザ、お値段は菜食主義者向け(269インドルピー)、非菜食主義者向け(169インドルピー)。

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チェコ、ポーランドの山岳団体が動く

 日頃から中央ヨーロッパのクライミングサイトをウォッチしていますが、ウクライナ侵攻について比較的早い動きをみせたのがチェコのクライミングサイトでした。

Prohlášení ČHS k Ukrajině by Horyinfo 2022.2.25 (ウクライナに関するチェコ共和国の声明)

 やはり『プラハの春』の記憶が残っているせいでしょうか、チェコは積極的に軍事支援を始めており、そのような社会背景がクライミングサイトにも反映されているようです。

 続いて、歴史的に旧ソ連から凄惨な虐殺行為を受けてきた国家・ポーランドの山岳団体であるポーランド山岳協会(PZA)は、UIAA(国際山岳連盟)、IFSC(国際スポーツクライミング競技連盟) 、ISMF(国際山岳スキー連盟) から、ロシア、ベラルーシの組織を除外するよう訴えています。

PZA apeluje o wykluczenie rosyjskich i białoruskich federacji by wspinanie.pl 2022.2.26

(PZAはロシアとベラルーシの連盟の除外を求める)

 

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各山岳組織から、ロシア、ベラルーシの除外を求めるPZAの文書

PZAの声明内容は次の通りです

『 ロシアによる不当に残忍なウクライナ侵攻を前に、私たちクライミング界も無関心ではいられません。私たちは国際オリンピック委員会の姿勢を理解した上で受け入れています。

 ロシアとその協力者であるベラルーシは、自由で独立したウクライナを攻撃することによって、オリンピック休戦に違反した。IOCの立場は、各国のクライミング団体からなる2つの国際連盟が追随した。UIAAとIFSCは、ロシアで開催される予定だったアイスクライミングとスポーツクライミングの競技会を中止することを決定した。

 しかし私たちは、スポーツクライミング大会の中止は、ロシアの未曾有の侵略行為に対して、私たちのコミュニティが取るべき多くの手段の最初の一手に過ぎないと考えます。私たちは、UIAA、IFSC、ISMFに対し、ロシアとベラルーシの団体をこれら連盟会員から除外するよう訴えます。ウクライナ人が祖国を守るために戦っているときに、ロシアのクライマーが競技に支障なく出場することは考えられません。

この非常に困難な時期に、ウクライナのクライマーおよびウクライナ国民全体と深く連帯することを表明したい。

ウクライナに栄光あれ、友よ
ポーランド山岳協会理事会 』

なお、ポーランド山岳協会はUIAAとIFSCに対し、ロシア各連盟を登山競技から除外することを目的とする請願文書を送りました。

歴史的にロシアに遺恨の残る各国の思惑が、ウクライナ侵攻と共に錯綜気味です。

極東の島国の片隅に暮らす私個人としては、一日も早い停戦を望みます。

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ロシアのクライミングサイト Mountain.ru、戦争反対を訴える

ロシアの代表的なクライミングサイトである Mountain.ru が、トップ記事に『戦争反対 ロシア人からの訴え』と題するページを掲げました。

公(おおやけに)にプーチン政権に反旗を翻すことになります。

Mountain.ru はウクライナ人クライマー達の画像をアップし、ロシアのジャーナリストであるミハイル・ザイガ―の文章を掲載、この趣旨に賛同する著名人から一般市民まで、ロシア人の署名をアップしています。

以下に記事を引用します。

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Moru

(訳者注: 画像上には「пацаны,ЭТО СВОИ」(皆、仲間だ)と記載されています)

Нет войне. Обращение россиян (戦争反対 ロシア人からの訴え) Mountain.ru 2022.2.26

戦争に反対 ロシア人からの訴え
これをコピーして、自分のページに貼り、署名してください。
"同胞 "たちよ!
ロシアがウクライナに対して仕掛けた戦争は、恥ずべきものである。
残念ながら、私たちの子供たち、つまり非常に若い、生まれてすらいないロシア人の世代も、その責任を負わなければならないのです。

私たちの子どもたちが侵略者の国で暮らし、自分たちの軍隊が近隣の独立国家を攻撃したことを恥ずかしいと思うようなことはさせたくありません。私たちは、ロシアのすべての市民に、この戦争にNOと言うことを呼びかけます。

我々は、独立したウクライナがロシアや他の国家にとって脅威となるとは考えない。 我々は、ウクライナ国民が「ナチス」の支配下にあり「解放」される必要があるというウラジーミル・プーチンの発言を信じない。我々はこの戦争の終結を要求する!

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以上引用おわり

ロシア世論では「大国ロシアの復活」を望む声も多いのは承知ですが、ロシアを代表するクライミングサイトが毅然と戦争反対の声明を表記した事実に、人としての良心を見出す思いです。

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踊るデニス・ウルブコ

二刀流・ショータイムって、デニス・ウルブコでしょ?

え?大谷翔平って誰ですか?

Denis1

 ポーランドのバラエティ番組に Taniec z gwiazdami (Dancing with the Stars)という番組がありまして、要は各界の著名人が華麗にダンスを踊り競うという番組でございます。
 その番組の12シーズン、様々な競技のアスリートがゲストに迎えられた中で、登山界からお呼ばれしたのがデニス・ウルブコ。

 もともとギターを手に歌い演奏している動画は、ロシアのクライミングサイトなんかでもアップされていましたが、やはりヨーロッパ人のたしなみなんですかね?番組の公開動画では華麗に踊ってます。

ちなみに競技の結果は、審査員からはそこそこポイントをとりましたが、視聴者得点が低かったので出場アスリート中の最下位におわり、初戦敗退となりました・・・

ただ前述のように登山だけでなくギターと歌も上手いデニス・ウルブコ、司会の依頼で『黒い瞳』を番組中で歌ってみせたのが上述の画像です。

ところで、高所登山引退宣言は撤回したようですが、次はどこを目指すのか?

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私をスキーに連れてって

当ブログでは様々な有名人が登山・アウトドアに親しんでいる記事をとりあげてきましたが、実はこの方も大の登山・スキー好きでした。

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ローマ教皇、ヨハネ・パウロ二世(1920~2005、在位1978~2005)です。

Skrivni gorski pobegi Janeza Pavla II.  by Aleteia.org 2021.11.21

史上初のポーランド人教皇であるヨハネ・パウロ二世は若い頃からカヤック、登山、スキーに親しんでいました。

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1950年代、ハイキング中

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1955年、ドラヴァ川でカヤックを楽しむ

教皇に就く前はポーランドのクラクフに住んでおり、タトラ山脈で登山やスキーに親しんでいたとのこと。

教皇に就いてからも「頻繁に」山に逃げ出し、困難なルートを登るため、警護のボディガードが取り残されることもしばしばあったとか。

しかしご存じの方も多いと思いますが、ヨハネ・パウロ二世は81年と82年の2度にわたり暗殺未遂事件に遭います。

これに伴い警護も厳重になりましたが、ヨハネ・パウロ二世ご本人の登山・スキーへの愛情は変わらず、極秘裏にイタリアのアオスタ渓谷はじめ各地のスキー場を訪れていました。

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スキーを楽しむヨハネ・パウロ二世(左から4人目、黒のスキーウェア)

ヨハネ・パウロ二世の名言

ある人が「教皇がスキーをされるなど下品ではないですか?」と訊ねた際、ヨハネ・パウロ二世はこう答えた。

「教皇が下手なスキーをすることこそ、下品ではないでしょうか。」

報道によれば、ヨハネ・パウロ二世の個人的なSP(警備員)は登山やスキーに出かけることに理解を示し、秘密裡に外出することに誰もが喜んで協力してくれたとか。

登山を続けるためには周囲の理解が必要とは、どんな国の、どんな立場の人でも同じですね。

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愛情物語。

2013年、K2初登頂におけるイタリア隊のテレビドラマを製作(後に日本でタイトル『K2 初登頂の真実』として劇場公開)したRAI(イタリア公共放送局)が、またまたやってくれました。

今回は、ワルテル・ボナッティとロッサナ・ポデスタの夫婦生活を描いたドキュメンタリータッチドラマ『Sul tetto del mondo』(世界の屋根の上)を製作、ワルテル・ボナッティ没後10周年の命日9月13日の前夜、9月12日にイタリア全土で放映されました。

“Sul tetto del mondo”. L’amore tra Walter Bonatti e Rossana Podestà approda sul piccolo schermo by Montagna.tv 2021.09.12

ちなみに今回の配役は、

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ワルテル・ボナッティ役にアレッシオ・ボーニ(Alessio Boni)、ロッサナ・ポデスタ役にニコール・グリマウド(Nicole Grimaudo)。

Montagna.tvも報じていますが、今回のボナッティの配役にはボナッティ信奉者からクレーム続出らしいですが、あれだけのキャラクターを演じるのは、誰が演じてもクレーム来るのは致し方ないでしょうな。

個人的には、ニコール・グリマウドってロッサナ・ポデスタ演じるには胸が小(以下省略)

前回のK2ドラマでは登山隊隊員の遺族・関係者から結構クレームがついたことでも話題になりましたが、本作はラインホルト・メスナー、シモーヌ・モーロはじめとするクライマー、イタリア山岳会会長、登山史研究家、山岳ガイド、またロッサナ・ポデスタをとりまく映画関係者、遺族ら多数の証言を得て製作されています。

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生前のワルテル・ボナッティとロッサナ・ポデスタ

 数々の証言も報道されていますが、二人の関係は陰と陽、光と影、お互いに無いものを補い合い、支えあった人生と言われています。

 それらがどのように映像化されているのか・・・『K2 初登頂の真実』で地味なテーマを日本劇場公開したんだから、こっちも日本で公開してくれ~

 一部が動画サイトで公開されています。

 大都会ローマで、あの「山岳王」ボナッティが駐禁で警官相手に困り果てているという窮地を、ロッサナ・ポデスタが救うという場面が描かれています。

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山と金欲と私

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 世界のタフガイに愛されるスイスの銀行ですが、スイス・アルプスの山頂150箇所に広告看板を設置、問題視されています。

Petition gegen Werbung auf wilden Alpengipfeln by outdoormagazin.com 2021.08.12

Bank

問題視されているスイスの銀行 Graubündner Kantonalbank が創立150周年を記念し、スイスの山岳地150箇所に設置した看板
(画像はTinzenhorn ティンツェンホルン 3173m山頂付近)


Bank2看板の詳細 ↑

QRコードを利用するとその山のガイドブック記事が表示されますが、巧妙な銀行のマーケティング活動の一環で、そこから銀行のウェブサイトにアクセス可能となり、オンラインバンクによる商取引が可能になっているとのこと。

当初は銀行創立150周年記念事業ということで1年間の設置という触れ込みで2020年に設置されたものの、1年以上経過した現在、銀行は「撤去の計画は無い」と開き直っています。

当然、自然愛好家・保護運動家からは設置前から懸念・反対の声が上がっており、現在は

Gipfelwerbung nein danke! Petition für werbefreie Gipfel (山頂に広告は要らない! 広告無しの山頂の請願運動)

という反対運動(署名活動)が展開されています。

スイスといえば、一般の方々のイメージは牧場と山岳観光地でしょうか。

小学生の頃から月刊『軍事研究』を読んでいた私としては国民皆兵制の軍事国家のイメージが強いのですが、同国は金融産業がGDPの一割を占める「金融国家」。

当然、銀行の持つ「力」も大きいですし、もともとBündner Kantonalbankという銀行自体、アルプス山岳地の道路開発に尽力した歴史を持つ銀行です。

ある意味、スイスにおける金融業がいかに幅を利かせているかがよくわかる「問題」です。

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石油・ガス産業の何が悪いのか

 アメリカ・テキサス州で石油・ガス開発事業を手掛ける企業Innovex Downhole Solutions が、従業員へのクリスマスプレゼントとして会社ロゴ入りのノースフェイスジャケットを企画したところ、ノースフェイス社からジャケットの注文を拒否されました。

 拒否の理由は、同社が「ポルノやタバコ業界を拒否するのと同様に、石油・ガス業界を応援しているとみなされたくない」という理由でした。

North Face turns back on local oil and gas company  by CBS 2020.12.11

Cbs

CBS7 ニュース番組でインタビューに応じるInnovex Downhole Solutions CEO アダム・アンダーソン氏

ノースフェイス社の対応に対して、Innvex Downhole Solutions CEO アダム・アンダーソン氏は、

「彼らが奨励するレクリエーション活動の全てのギアを生産するためにはハイドロカーボン、炭化水素を必要とします。人々が実行したい、あらゆる活動に必要な手段を提供するものです。それは私たちが行う業務と密接に絡み合っています。」

 氏がノースフェイス社に見解を求めたところ、返事はありませんでした。氏は怒りよりも今回の件が「石油とガスの重要性について議論形成に役立つこと」を願っているとのこと。

 私はアウトドアライターのおぼっちゃん・おじょうちゃんどもと異なり、類似した業界で現場作業に従事する人間ですので、今回の件では当然Innvex Downhole Solutions CEOの冷静な反応を支持しますよ。

 急進的な「改革」とやらは結構ですが、偏見に晒される多くの労働者を見捨てる「改革」は、クルクルパーな自己満「自然保護」論者を満足させるだけでしょう。

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ラインホルト・メスナーの告白

驚愕の真実!

今年8月、ラインホルト・メスナーの告白がドイツ語圏メディアを震撼(言い過ぎ)させました。

Messner

ラインホルト・メスナーいわく、

『Ich kann nicht schwimmen.』

( 私 は 泳 げ な い ん だ  。)

Boden unter den Füßen by Sueddeutsche.de 2020.8.21

ええ?!

マジで?!

チョモランマ単独初登、ナンガパルバット単独登頂を果たし、著書で「標高差1000mを1時間以内で走り切る。自信が湧いてきた。」とか、ヨガやってたとか、すげースーパークライマーぶりを示していたのに、泳げなかったんですかぁ~

人のできないことをあげつらうのは、性格極悪な私も少し気か引けますが、この一言にドイツ語圏メディアが一斉に反応していたということは、やっぱりヨーロッパの皆さんも意外だったんでしょうね。

と申しましょうか、地球交響楽とか、あれだけ大自然に対して哲学的なメッセージを口にしている割に、マリンスポーツには無縁だったんですね。

登山界にはティルマンはじめ、山にも海にも慣れ親しんだ登山家はたくさん存在するんですが・・・

上記にリンクしているメディアは、泳げないメスナーを擁護する一方で、「美しい山々の湖で一度も泳いだことが無いのか」と明後日な方向に驚愕しています。ヨーロッパの山岳地の湖なんて、水冷たいんじゃないの?

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DNAは誰のものか?

コロナでうんざり。

早くワクチンできないかな~と願っている方も多いと思います。

最先端のバイオ企業では、着々とワクチン開発が進められています。

しかし、それが生身の人間の、マイノリティな人々の搾取の産物であったとしたら。

ネパールのシェルパ族は、バイオ企業に「搾取」されているのか。人類のために「貢献」しているのか。

NEPALI TIMES がコロナウイルス特効薬開発の光と影をすっぱ抜きました。

Sherpa genes for COVID-19 treatment?  by NEPALI TIMES 2020.6.23

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シェルパの遺伝子がCOVID-19の治療に?
アメリカのバイオテクノロジー新興企業による、シェルパのDNA配列研究が提起する倫理的問題

ネパールタイムズ 2020年6月23日

Nepalsherpa

写真 サガルマタ汚染防止委員会

 アメリカのバイオ企業がネパール・シェルパ族の血中DNAを研究し、高所の低酸素にもかかわらず彼らがいかに成長するかを調べることにより、COVID-19の治療法を見つけようとする試みは、一部の医師やシェルパ族によって批判されている。

 ヴァリアント・バイオ社は、シェルパ族が住む地域の空気中酸素が平地の半分しかないにもかかわらず、彼らにスタミナと持久力を与えているDNAの遺伝子コードを抽出しようとしています。

 同社は研究によって、COVID-19に苦しむ患者の治療法開発に役立つだろうとコメントする。

 バリアント・バイオ社の共同設立者で遺伝学者でもあるステファン・カステル氏は、ニュースレポートの中で「COVID-19では低酸素症で死ぬこともある」と述べる。「おそらく、その住環境の中で健康に保つ方法があるだろう。」

 しかし公衆衛生の専門家は、そのような研究の科学的根拠に疑問を投げかけ、一部のシェルパ族の研究者は、研究の倫理的な問題を提起しています。

「世界中の先住民や辺境地に住む人々の遺伝子がどのように研究にされ、悪用されてきたかを知っています。彼らが私の故郷の人々を民間企業の利益のために利用しようとしているのではないかと危惧しています」

 アメリカ・アリゾナ州立大学、地球宇宙探査学部博士課程の学生であるソナム・フティ・シェルパは語る。

 彼女によると、バリアント・バイオ社のプロジェクトは、ネパール現地の人々がこの研究について知らず、研究に関わるクーンブのシェルパ族でさえ、研究の目的を知らされていない可能性があるため、ゲノム研究、法律、倫理について緊急の警告を発したという。

「この研究はいくつかのレベルで非倫理的です。国際臨床法によると、薬品が特定の地域社会によって開発された場合、その地域社会は薬品からの利益を得るべきであり、そうでなければ非倫理的であり、最終的には違法となります。」と説明する。

 科学者たちがヒマラヤの住人の秘密、標高の低い場所に住む人間が動けなくなるような高度でシェルパ族が活動的である理由を明らかにしようと試みたのはこれが最初ではない。エドモンド・ヒラリーは、かつてネパールのクンブ地域を「世界で最も調査され、検査され、採血され、人類学的に解剖された地域」と表現したことがある。

 COVID-19に対するワクチンと薬物療法の研究は、急性症状を持つ患者に対して絶望的な手段に頼らざるを得ない医師の注目を浴びる。あるニューヨーク市の医師は最近、COVID-19の患者が肺の低酸素症状に苦しんでいたため、高高度肺水腫(HAPE)の治療に使用されるダイアモックスのような薬を推奨した。

「急性高山病用の薬を使ってCOVID-19を治療するのは、全く異なる要因があるため論理的ではありません」と説明するのは、高所医学の専門家であり、イギリスの医学誌にこのテーマに関する論文を共著したBuddha Basnyat氏である。「COVID-19を治療するために高山病の薬を使用することは、潜在的に危険な結果をもたらす可能性があります。」

 しかし、バリアント・バイオ社は、シェルパの遺伝子がCOVID-19だけでなく、代謝障害や免疫反応に関する薬品開発に役立つ秘密が隠れていると確信している。

 過去に開発された多くの医薬品は、世界各地の民族の特質を生かし複製されてきたとして研究を擁護している。 例えば、抗コレステロールの処方薬の幾種類かは、遺伝的に病気になりにくいアフリカ人から抽出されたDNA配列に基づいて開発された。

 バリアント・バイオ社はまた、糖尿病の遺伝的治療薬を発見するために、他民族よりも炭水化物を代謝させる傾向があるニュージーランドのマオリ族の血液からDNAサンプルを取っている。また、フェロー諸島とパキスタン人も対象に研究を行っている。

 同社は、その方法論から倫理的な批判に備えていたようで、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団で感染症研究を率いていたCEOアンドリュー・ファーナム氏は、「治療法を見つける利点が他の懸念事項を上回る」ことをブルームバーグで示唆した。

 バリアント・バイオ社はネパールのシェルパ族の医師を雇い、現地の行政に呼びかけ、10月からネパールで2,000人の血液サンプル採取を支援しているという。同社は、シェルパ文化に関する本の翻訳費用や、クーンブの学校改修費用を負担することで、現地コミュニティに補償する予定という。

 ソナム・フティ・シェルパは「納得していない」とメールでネパール・タイムズにコメントした。
「同社はまだネパール保健研究評議会の許可を得ていないまま、サンプル収集を開始する予定です。民間企業がシェルパや他民族の遺伝子の『著作権』を所有すべきではない。」

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以上引用おわり

 補足します。

 文中にヒラリーが引用されていますが、ヒラリーはエベレスト登頂に成功後、マカルー登頂を狙った際、標高5300mの高所に「銀の小屋」と呼ばれるプレハブ小屋を建て、自分たち登山隊メンバーを実験台に高所衰退・高所順応の医学実験・調査を行っていたものです。バリバリのバイオ企業の製薬研究と一緒くたにされるのは不本意ですな。

 現実として、世界各地の民族固有の体質そのものが医薬品開発に「貢献」している現代、コロナウイルスワクチン開発という御旗のもとに、いくつもの企業が国家から莫大な支援を受けて研究開発を進めています。

 冒頭に書いたように、特定の民族から得られるDNAデータは搾取の賜物なのか、人類への貢献なのか。

 なんでもかんでも AI に判断をお任せしようという現代、ますます「倫理観」が問われる時代になってきていると考えます。

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