「越後奥三面 山に生かされた日々」上映会のお知らせ

以前に当ブログでも紹介しました、映画『越後奥三面 山に生かされた日々』の上映会が宮城県村田町において、5月7日(土)に開催されます。

開催直前のお知らせになってしまいましたが、山の民俗・暮らしに興味のある方、ぜひ鑑賞をお勧めいたします。

要項

第1回山祭-SANSAI- 夜の部 映画上映会
「越後奥三面 山に生かされた日々」(製作民族文化映像研究所 147分)

『新潟県の北部、山形県との県境にある朝日連峰の懐深くに位置する奥三面。平家の落人伝説をもち、また縄文遺跡も残る歴史の古い山村である。人々は山にとりつき、山の恵みを受けて暮らしつづけてきた。その奥三面がダムの湖底に沈む。この映画は、山の自然に見事に対応した奥三面の人々の生活を四季を通じて追い、ダム建設による閉村を前にした人々のおもいをつづった長編記録である。』(民映研作品総覧より)©民族文化映像研究所
● 日時 5月7日(土) 16:30開場 17:00開演
●会費 1,000円
●場所(base)
〒989-1301 宮城県柴田郡村田町菅生舘70
(Google mapで、布袋農園と表示されるところになります)
お問い合わせ LINE : @975sdqcf または Fecebook https://www.facebook.com/events/3160164364256968/?ref=newsfeed
※同日の日中も第一部としてフリーイベントを開催しております。こちらも併せてどうぞ。
共催:村田町地域おこし協力隊河合(base)様

当ブログの鑑賞記録はこちら↓

【映画】越後奥三面 山に生かされた日々 2014年10月4日

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私は決して泣かない 【ポーランド映画祭2021】

ポーランド映画祭2021の最終日、前年の東京国際映画祭で評価の高かった『私は決して泣かない』を鑑賞。

主人公オラは17歳の奔放な女の子。母と、障碍者の兄との三人暮らし。

アイルランドに出稼ぎ中の父が事故死、英語のできるオラが遺体を引き取りに、一人アイルランドに渡り苦闘する物語である。

主人公の性格は、この予告編をご覧いただければだいたいわかるだろう。

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病院でひどく傷ついた生々しい父の遺体と対面、職業案内所、葬儀会社と渡り歩く。父の働いていた港湾施設で、父が他人になりすまし自分以外の勤務時間にも違法に勤務していた際の事故であったため、保険が一切下りないことが判明する。なんとかカネにつながる証拠を探ろうと、夜間に不法侵入もやってのける主人公。

物語が進むうち、父に愛人がおり、貯金は全て愛人との住まいの家賃に消えていたことが判明。

愛人のカバンから「オラの車」とメモ書きされた封筒を見つけ、中にまとまった現金を見つけた主人公。

これで丸く収まると思いきや、母からは電話で「立派な墓石が買える・・」と言われ、「それ私のカネだから!車買うんだから!」とブチ切れる主人公。

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様々な不正義、困難、災難が主人公に理不尽に降りかかってくるが、主人公のオラは上記画像のように鋭い眼光を崩さず、ひたすら前に進む。

以下、ネタバレです。

 母の「墓石が買いたい」の一言にキレたオラは、アイルランドで知り合った職業案内所の男に車を買ってキープしておくことを頼むが断られる。次にとった行動は、愛人から一度は奪い戻した父の金を、美容師試験を目指す愛人に試験費用として渡してあげるのだった。

 ポーランドでは半ばタブーとされる火葬で父の骨壺を持ち帰った主人公。

 骨壺が霊柩車で運ばれようとしたその瞬間、オラは霊柩車を奪い、自分で運転し走り去る。車中で涙を流しながら運転しているところで映画は終わる。

 いや、このラストシーンの直前、オラが霊柩車を奪った時点で私は涙腺崩壊しました。

 歳のせいかなあと思いましたが、昨年の東京国際映画祭のレビューをみると、やはりあのラストシーンで泣けてる人が多くて一安心です。

 単なる青春映画、タフな女を描いた映画ではありません。何とか映画祭によくある「人の不幸の切り売り映画」でもなく、EUとポーランドという形をとり西側諸国の経済格差も巧みに描いたこの映画、久々に「いい映画をみた」という手ごたえのある映画でした。

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ポーランド映画祭2021

急遽、現場が土曜日お休みとなり、また2連休を迎えた。

土曜日は勤務と思い諦めていたが、休日となったおかげで恵比寿の東京写真美術館に出かけ、ポーランド映画祭2021初日のプログラムを鑑賞。

20211120_104133初日の映画祭開幕挨拶。

右から2人目はポーランド広報文化センター所長ウルシュラ・オスミツカさん。非常に流暢な日本語で挨拶されていた。

本日チョイスした映画は、

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『アンジェイ・ワイダ 私のインスピレーション』

アンジェイ・ワイダが若き時代、特に影響を受けた芸術「絵画」について掘り下げたドキュメンタリー。

そしてもう一本は、

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『灰とダイヤモンド』

もう何度この作品を視たことだろう。

初めて視たのは中学生の頃。当時は守銭奴NHKがまだ良心的だった頃で、NHK教育の深夜枠で一生心に残るような世界の名作映画を放映していた。

高校生になって、山形市内でワイダの「抵抗三部作」の自主上映会が立て続けにあり、パイプ椅子に座って『灰とダイヤモンド』や『地下水道』を視た。

当時の会場は、改築前の山形県立図書館のホール。座り心地の良くないパイプ椅子、暖房もあまり効かない会場で、たしか仙台の登山用品店「サンライフ」オリジナルの冬山用ヤッケを着込んで鑑賞していた。友人もいなければもちろん彼女もいない暗い高校生活で、さらに暗いストーリーのポーランド映画(というかアンジェイ・ワイダの作品群)は、私の心に深く刻まれることとなる。

頭の痛い現場作業続き、視たからといって決して元気が湧くようなストーリーではない。

主人公マチェクがあっけなく射たれ、無残に苦しみながら死ぬのを見届け、再び人でごったがえす山手線に乗り、神奈川のマンションに帰る。

悲劇を視たからといって、何一つ変わることはない。

多感な高校生の頃の私と比べ、今の私はそれなりに社会で人生の苦痛とやらを味わった。それを人としての成長というのか、鈍感になったというのかは、わからないし、知りたくもない。

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映画『富士山頂』のリアリズム

2月16日、当ブログでもお知らせした映画『富士山頂』の上映会にて映画を視聴。

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所用のため、途中から会場入り。

映画では高度障害に苦しめられる作業員たちが次々と離反。

現場監督役の山崎務がその暗い雰囲気とあいまって、現場監督の辛さ・苦しさがよく表現されている。

私自身が建設会社で現場管理に首を突っ込むようになったため、映画を見ていても

「ああ! あのヘリで運んでいる生コン、単価いくらなの~」

とストーリーをよそに現実的なところが気になって仕方ない。

 

大変な苦労を重ねて実現したヘリ荷揚げによって、レーダードームの骨組みが富士山頂の施設に運び込まれる。

高度経済成長期を象徴するような、渡哲也扮する自信満々の若手操縦士がついに骨組みの荷下ろしに成功。

その瞬間、作業員たちがシノと呼ばれる道具をボルト孔に差し込み、土台と骨組みを固定する。

 私たち現場作業員も、普段の鉄骨材組み立てではラチェットと呼ばれる道具をシノ代わりに使って同様の作業をしているため、そんな映像に思わず興奮する。現場作業部門で働いた10年は私にとってやはり短くなかったのだ、とあらためて思う。

 

 登場人物たち皆の血のにじむような苦労で、富士山頂のレーダー施設が完成。

 映画のラスト近く、現場作業員たちはブルドーザーの巨大バケットに乗り込んで富士山を下山する。(ご存じない方も多いですが、富士山頂には荷揚げのためのブルドーザー道が存在します)

 勝新太郎演じる土建会社の親方が部下に「これからどうする」とつぶやく。

 勘違いした部下は、「箱根か熱海に行ってぱあーっとやりましょうや」と答える。

 勝演じる親方は、硬い表情でこう答える。「測候所ができたら、荷揚げのブルドーザーは一台で済む。これからブルドーザーの仕事をさがさなくちゃな。」

 レーダー施設建設のため、大量荷揚げを行うために何台ものブルドーザーを導入していた。その行く末を案じているのである。

 勝演じる親方の、気っ風のいい姿勢ばかりでなく、経営者としての先を読むその姿。

 映画『富士山頂』が石原裕次郎のカッコつけ映画でも、レーダー施設建設の美談映画でもなく、建設業のリアリズムを感じさせる映画だと痛感した一場面である。

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 映画上映会は、地元の年配の方が大勢集まっていた。

 スクリーンの前でお話されているのが、実際に富士山頂レーダー建設の責任者であった大江町・小見地区出身の故・伊藤庄助氏のご兄弟である伊藤宗三氏。

 伊藤宗三氏のお話によれば、実際に建設を担当した大成建設では、

『建設担当者には大学山岳部出身者は採用しない』

 と決めていたのだという。その理由は「大学山岳部出身者は無茶をするから」というものだったそうな。

 ま、たしかにこのレーダー建設直前の1963年には愛知大山岳部の大量遭難事故があった、そんな時代でしたからね。1950年代、西堀栄三郎が先頭切って山岳部出身者を採用した南極観測隊とはずいぶん違うなあ、と感じながら伊藤氏のお話を拝聴。

 伊藤庄助氏がレーダー建設プロジェクトに採用されたのは、趣味の絵画を通じてゼネコン重役たちとのつながりができ、「山形出身で蔵王でスキー経験もあるし、富士山でもやれるだろう」とピックアップされたとのこと。

 伊藤宗三氏いわく、「趣味を持ち、人とのつながりは大事にしてください」とおっしゃる。

 会場は年配の方ばかり、若い方がほとんどいなくて実にもったいない、そんな上映会でした。

 ちなみにNHKの『プロジェクトX』第一回がこのレーダー建設の話。当時のNHK取材班も大江町でロケしており、会場でその第一回の番組が流され、懐かしい大江町の風景に皆さん大盛り上がりでした。

 このような貴重な機会を作ってくださったOe EXPO実行委員会の皆様、主催の大沼兄昌様に深く感謝いたします。

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映画『富士山頂』上映会のお知らせ

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映画『富士山頂』上映会のお知らせ

 山形県の朝日連峰山麓の町、大江町の誕生60周年を記念して開催されるイベント Oe EXPO (主催Oe EXPO実行委員会)の開催行事として、石原裕次郎主演の映画『富士山頂』の上映会が予定されています。

 紹介としてOeEXPOポスターから引用

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石原裕次郎主演映『富士山頂』上映&トークショー
(ゲスト:伊藤宗三)
協力:株式会社石原プロ
2/16(日)16:00~18:30(参加無料)
1964年、台風観測のため巨大レーダーを富士山頂に建設する途方もないプロジェクトの現場責任者として力を奮った大江町 小見出身の伊藤庄助氏。
一連のエピソードを石原プロが映画化し、1970年に公開された映画『富士山頂』を特別上映します。
上映後は氏のご兄弟である伊藤宗三さんをお招きしてトークショーを行い、当時を振り返ります。

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以上引用おわり

開催日時 2020年2月16日(日) 16:00~18:30 参加無料

開催場所 山形県西村山郡大江町 大江町まちなか交流館ATERA

駐車場は大江町役場、大江町交流ステーション(裏側)、大江町町民ふれあい会館の駐車場をご利用くださいとのことです。

映画『富士山頂』予告編↓

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あの映画がついにリメイクか?

筋肉バカが活躍する山岳アクション映画『クリフハンガー』のリメイクが話題になっています。

Cliffhanger Female-Led Reboot of Stallone Movie in the Works  by Den of geek.com 2019.5.10

「クリフハンガー」のリメイクは以前から企画が現れては消えを繰り返していたのですが、今回はイラン系アメリカ人女性アナ・リリー・アミールポアーが監督を予定。

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アナ・リリー・アミールポアー近影

 アナ・リリー・アミールポアーはいわゆるインディーズ映画で名をはせた新進気鋭の監督。今回のリメイク(記事ではリブート・・・旧作を新解釈して新作を作ること)では、主人公はアナいわく「かっこいい女性クライマー(badass female climber)」とのこと。

 もう公開されている予定作の画像がこちら↓

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キャッチコピーは『Hold on.』。

インディーズ映画監督があのストーリーをどう料理するのか!?

順調にいけば、製作開始は2020年からだそうです。

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チョモランマ北面初登が中国で映画化

1960年の中国隊によるチョモランマ北面初登が、中国で映画化されることになりました。

吴京《攀登者》新剧照流出!胡歌加盟 by NEWS MTIME.com

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1960年、チョモランマ北面からの登頂に成功した(左から)屈銀華、貢布、王富洲

中国メディアでは、撮影の模様と映画の静止画像が公開されています。
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映画のタイトルは『攀登者』 (クライマー)、建国70周年にひっかけて映画化された模様で、バリバリ国威高揚な内容になりそうな予感。

 中国映画といえば、人の不幸の切り売り映画のような社会派映画が日本で上映されてきましたが、最近は娯楽超大作が多いようですね。
 今回の映画化に際し、主演は中国の超人気俳優で監督業もこなす吴京(ウー・ジン)。
 過去に出演・監督したアクション映画『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』は興業収入1000億円、近未来の地球終末を描いたSF大作『流浪地球』は公開一週間にしてチケット売り上げ約200億円という化け物映画。
 ちなみに日本の興業収入歴代一位の『千と千尋の神隠し』が308億円。
 中国メディアによればウー・ジンの三部作として『攀登者』が位置づけられています。

 筆者が注目したのは、1960年の登山隊の映画化よりも、中国のQ&Aサイトの記事。
 以下引用開始
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エベレスト山は中国・ネパール国境に位置しています。

今やエベレスト山の主権は両国に属していることは常識となっています。

しかし1950年代、中国とネパールの間で論争がありました。

国境交渉の際、中国は国境線をエベレスト山の頂上に置くことを提案しました。

しかしネパール側は、エベレストは完全にネパールにあり、中国とは関係がないと主張しました。

「中国人はエベレスト山に登ったことがなく、エベレスト山は中国の領土とみなすことはできません。」

1953年5月29日、ネパールのテンジン・ノルゲイとニュージーランドのエドモンド・ヒラリーが南面からエベレストを登り、史上初のエベレスト登山隊となりました。

これは外交交渉において、ネパール側にとって重要な交渉カードとなった。

そして中国はエベレスト登山計画を開始しなければなりませんでした。

登山は成功しました。そうでなければ、エベレストはその名前を変えなければならないかもしれません。

1961年10月5日、中国とネパールは正式に国境条約に調印しました。そして、エベレスト山北面の主権は中国に帰されました。

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 中国のQ&Aサイトの記事ですが、8000m峰の登頂という行為が国威高揚どころではなく、外交交渉に用いられたという興味深い事実が伺えます。

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 まあ中国共産党の強力なバックアップの下で、1960年の中国隊がどのように映画化されるのか注目です。

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Uruca II

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 2008年制作のクライミングのアニメ短編映画 『Uruca』 の続編 『Uruca II』 が、制作者である Erick Grigorovski によりyoutubeで公開されましたので紹介いたします。

 本作では、カナダ・バガブーの岩壁に挑む2人のクライマーの様子が映画化されています。

この映画は昨年に韓国で開催された蔚州国際山岳映画祭でも上映され、高評価を得ています。
制作者のエリック・グリゴロフスキーはブラジル・リオデジャネイロ出身のクライマー。
前作がカナダ・バンフ映画祭に出品された際、訪問したカナダが気に入り移住したという経緯から、続編の舞台はバガブー山群になったようです。

 前作はちもろん本作も、その魅力はなんといっても、実際にクライミングした者なら「ああ、そうそう」と共感する、クライマーなら実感できる些細な出来事 (核心部での「ためらい」や「ため息」などなど) が巧みに描写されていることですね。

 登山ブームに便乗した下手な漫画よりも、こちらをご覧あれ。

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『第2回蔚州世界山岳映画祭』 の不都合な真実

去る9月21日から5日間にわたり韓国・蔚州郡で開催された『第2回蔚州世界山岳映画祭』。

各韓国メディアは国際イベントとして無難に報道していましたが、韓国の時事ジャーナル紙が痛いところを突いた報道を展開しています。

朴槿恵・前政権時から韓国各地の山岳地で問題になっているケーブルカー建設問題に関して、ゲストとして招かれたリック・リッジウェイもガツンと物申したようです。

「自然と共存」問いただすことになった蔚州世界山岳映画祭の課題 by 時事ジャーナル(韓国)2017.9.27

以下飲用開始
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「自然と共存」問いただすことになった蔚州世界山岳映画祭の課題
9月25日に閉幕・・・上映作品増大など、見た目拡大にも運営システムの粗雑

チェ・ジェホ 記者

 国内最初で最大の山岳映画祭として注目を集めた、第2回蔚州世界山岳映画祭が9月21日に開幕され、5日間にわたって21カ国97編の上映スケジュールを終えて幕を閉じた。

 昨年第1回の時よりも上映作品が19編増え、出品作品も78編(第1回は40カ国182編 → 第2回は31カ国260編)に増加するなど、世界的な山岳映画祭として発展する可能性を確認できた点で、主催者である蔚州映画祭事務局は舞い上がっている雰囲気だ。
 しかし、25億ウォンの予算をかけた国際イベントとしては貧弱な付帯行事プログラムに加え、映画祭の最も重要な上映館チケットに関連した粗雑な運営システムは、昨年第1回の時とあまり変わりなかったという指摘を受けている。
 蔚州世界山岳映画祭が、主催側が掲げるようにイタリア「トロント」、カナダ「バンフ」とともに世界3大山岳映画祭に成長するために解決すべき課題は何だろうか。

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去る9月21日、UMFF開会式の様子 蔚州世界山岳映画祭事務局提供

「このまま世界3大山岳映画祭に成長できるか」

 第1回蔚州世界山岳映画祭が開かれた昨年9月30日、キム・ギヒョン蔚山市長は当日午前中まで開幕式に参加しないつもりだった。市役所で当日朝に発送する日程表に、キム市長の代わりに行政副市長が開幕式に出席として名簿に記載されていた。キム市長は最終的にこの日の夕方の開幕式に出席し、会場で持前の明るい表情を維持したが、当日の朝は副市長を代わりに国際イベントに出席させようと決心するほど不満を持っていたものと思われる。

 キム市長の当日不参加のハプニングは、映画祭の名前をめぐって蔚山​​市と蔚州郡が神経戦を繰り広げたことから始まった。蔚山市は予算10億ウォンを支援する条件で映画祭の名称に「嶺南アルプス」や「蔚山」を用いることを要求したが、蔚州郡は最後まで地域名を譲らなかった。

 蔚州郡がこのような独自の路線を進んで失ったのは、10億ウォンの予算だけではない。蔚山市は今年広域市昇格20周年を記念する「蔚山訪問の年」と銘打って巨大な広報マーケティング戦略を繰り広げたが、蔚州世界山岳映画祭の広報は、蔚州郡の役割だった。

 5日間の蔚州映画祭に集まった観衆は約6万人と映画祭事務局は推定した。昨年の第1回で事務局が明らかにした観衆は、5万3000人だった。しかし、イベント期間中に会場を往来した周辺関係者は、昨年に比べて会場が広く感じられるほど訪問者が少ないと口をそろえる。

 野花漫画フェスティバル、ツリークライミング、全国スポーツクライミング大会、ガンウォルジェで開かれた山上音楽祭「蔚州オデッセイ」など、家族単位やスポーツ愛好家が参加するプログラム会場は参加者でにぎわった。しかしながら映画祭の中心であるべき「映画上映館」周辺は寂しいほどで、映画祭は全国の映画ファンを集めるには限界を表わした。

 このような寂しい上映館の雰囲気は、無料で行われている映画チケットのずさんな運営システムと無関係ではなかった。当初映画祭事務局は、オンライン予約以外に観覧席の20%を現場で発券すると約束したが、開幕翌日になって突然上映日に関係なく事前予約することができるように方針を変え混乱を招いた。

 週末の上映時間に間に合うよう当日券を入手しようとしていた観光客は「売り切れ」という案内に失望して引き返した。臨時上映館3棟も含め4箇所の上映館では、「売り切れ」という案内とは異なり前売券をストックしておいて、会場が見つからない団体のために主催者側は冷や汗を流したという裏話もある。

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去る9月23日、蔚州世界山岳映画祭会場で特別講演をおこなうリック・リッジウェイ氏の様子。 蔚州世界山岳映画祭事務局提供

蔚州推進・神仏山ケーブルカー - 山岳映画祭との共存方法は・・・

 今回の映画祭で主催側が精魂込めたプログラムの中で欠かせないのは、今年初めて制定された「蔚州世界山岳文化賞」だった。受賞者は、7大陸最高峰を世界で初めて登頂した記録を保持し「地球の息子」という敬称を持っているアメリカのリック・リッジウェイ氏である。彼は会場で特別講演と特別展示会をおこない、蔚州地域「嶺南アルプス」と縁を結んだ。

しかし、登山家であり環境活動家に変身した彼には、蔚州郡が推進する「神仏山ケーブルカー」が不満だった。

 リック・リッジウェイ氏は記者会見で「山は野生そのままに保存しなければならない。そしてケーブルカーには反対する」と表明し、映画祭関係者たちを困惑させた。 彼は「山に登った時、野生が与える魔法を感じることができて自然から安らぎを受けることができる」 として 「車に乗って、駐車場に駐車をして、ケーブルカーに乗って展望台まで上がって、再びケーブルカーに乗って降りてくるのは優れた人間の姿ではない」と批判した。

 映画祭発足を先頭に立って主導してきた蔚州郡は、今後は映画祭運営主催を法人にして世界的山岳映画祭として発足させていくという立場だ。
 蔚州郡の方針通りならば、来年9月には第3回蔚州世界山岳映画祭は神仏山の頂上と連結されたケーブルカー駐車場の真下で開かれることになる。

 「自然との共存」をスローガンに掲げた蔚州世界山岳映画祭が、映画祭の存在理由と現実の環境の間で、どんなスタンスを取るかにより今後、名実共に世界山岳映画祭に発展するかどうかを分けるものと見られる。

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以上引用おわり

なにかと「世界的」なタイトル好きな韓国ですが、この蔚州世界山岳映画祭に賭ける意気込みはものすごいものがあります。
昨年の第1回のゲストとして韓国に招かれたのがラインホルト・メスナー、そして欧米ではその名が知られている山岳ジャーナリストBernadette Macdonaldを招いたところに私は韓国山岳界の「本気」を感じた次第。

チケットの問題は「ケンチャナヨ」な韓国社会ではまあご愛敬として、神仏山のケーブルカー問題は痛いところを突かれました。

 あの雪岳山でも経済効果を期待してロープウェイ建設計画が浮上、計画に反対する自然保護・登山関係者に逮捕者がでるほど反対運動が白熱していました。
 朴槿恵政権が終末を迎えたことによりロープウェイ建設も白紙に戻されましたが、最近になってゾンビのように再浮上しているようです。
 当該記事の神仏山ケーブルカー計画のように、経済効果を期待する賛成派と自然保護を訴える反対派との対立が続いているところもあります。計画はかなり推進されているようですが、各関係省庁の対立もあり、ケーブルカー建設が実現するかはまだ予断を許さない状況、といったところです。

第3回蔚州世界山岳映画祭が韓国のみならず世界的な山岳イベントとなりうるか、ケーブルカー建設計画という環境問題の行方にも注目したいと思います。

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山女日記 ~女たちは頂を目指して~

 さすらいの現場作業員生活、ビジホに滞在しているおかげてBSで放映中の 『山女日記 ~女たちは頂を目指して~』 を視聴。
 貧乏暮らしなもんで自宅では衛星放送見られないんす。

 第3話『てっぺん ~唐松岳~』から初めて視聴しましたが、いや~いいわ~
 佐 藤 藍 子 が っ
 やっぱショートカットの佐藤藍子って(以下省略)

 facebook経由で製作の模様など伝え聞く程度でしたが、実際のガイドの方々の感想が一つも聞こえてこないんすけど・・・

 視聴した感想は、テレビドラマとして私は面白かったです。
 それ以上でもそれ以下でもありません。
 山やってる女性の感想お聞きしたいですね。
 私は兼業ガイドとしてツアー引率して、女性客のドロドロした関係をみてきたけど(あんまりブログに書けない)、兼業ガイドの自分でさえそうなんだから、専業ガイドのセンセイ方はもっと修羅場くぐってきたんじゃないかと思います。
 
 ま、アレです。
 自分ぶらさがったロープをナイフでぶった切ったりする「山岳」映画よりいいんじゃないんですか。

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