ガイド殺すにゃ刃物はいらぬ

ガイド殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の3日も降ればいい。

とは、某ガイドの名言。

朝日少年自然の家夏季キャンプの登山下見のため、一ヶ月以上も前から休暇を確保し山行に臨んでいたのですが、収集した情報では昼前から雷雨の気配。

天候判断も頼まれていた私、雷予報が出ている事、昼過ぎから天候が崩れることをお伝えしたところ、担当の山口さん経由で、板垣所長のご英断があり山行は中止。

Garain

下界の山形市内は青空も見える曇天ですが、ピンポイントで月山は凄い天気になってました。

脳味噌はいつも休止状態の私ですが、今日は身体も休めたいと思います。

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謙虚であり続けるのは難しい

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筆者愛用のBD社レイブンウルトラのブレード 

 ガイドで月山山頂を往復したときのこと。

 休日で混雑する月山山頂小屋の前での事だった。

 人がやっとすれ違える狭い道で、某旅行社の団体ツアー一行が来たので道を譲る。

 最後尾のガイドらしき女性とすれ違った時、なにか光るものが見えたのでとっさに身をかわす。

 彼女はザックのピッケルホルダーにピッケルをくくりつけていた。カバーもせず、鋭利なブレードがむき出しではみ出たままに。

 石垣に挟まれた狭い登山道、しかも登山者で混んでいる休日でのその格好に怒りを通り越して呆れてしまう。

 意識高い系の登山者の皆さんにはすみませんが、多人数のお客様を前に行程説明中の同業ガイドを怒鳴りつける勇気は無く、私もお客様と共に移動中だったのでその場を離れた。

 いや、冗談抜きで黒澤映画『椿三十郎』の仲代達矢みたいにブレードでバッサリやられるところでした(ネタバレですんません)

 下山後、気持ちも落ち着き、思ったこと。

 

 ガイドは山の中では、立ち居振る舞いを他人から見られる。自分も気をつけよう。

 

 インターネットのスポーツ記事って質の低い記事も多いのであまり読まないのだが、最近ダイヤモンドオンラインの『なぜ大坂なおみは急に世界で勝てなくなったのか』という記事に感銘を受けた。

 最も印象に残ったのは、次の一節である。

『謙虚であり続けるのは難しい。だが、謙虚さを失った者の多くは、足下をすくわれる。どこかに隙が生まれ、常勝を呼び込む流れにほころびが生じる。』

 ガイドの資格をいだたき、年数が経った。私は未だに下っ端ガイドのつもりでいるのだが、最近はガイド協会会員加入の推薦を頼まれたり、少年自然の家はじめ登山講師を頼まれたりする。時折自分の高慢さを戒める時もある。

 人の落ち度をあげつらうよりも、自分も気をつけよう。そう言い聞かせた、夏山登山の1日。

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ちなみに私はピッケル(アックス)を装着するときはザックのピッケルホルダーは使わず、サイドポケットに刺しています。

学生時代、ピッケルを所持して大型ザック姿で山手線や混雑する新宿駅を往来することが多く、若さゆえ・未熟さゆえに苦い経験もしました。そのためカバーしていたとしても石突やブレードが人の顔に当たらないよう注意していました。

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カバーはマジックマウンテン社の薄手ナイロンのカバーを愛用。これなら行動中に急に必要になっても、かさばらずズボンのポケットに収まるため使い続けています。

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人を呼ぶ山

15日、個人ガイドのため月山山頂往復。

登山は初心者の方で、雪渓の対応のためガイドをお願いしたいというご依頼。

一緒に歩くためクライアントの経験を探ることも兼ねて色々お話を伺っていると、登山は初心者だけど、月山に何か呼ばれているような気がしてどうしても登りたいとおっしゃる。

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登山は初心者という割には大変健脚な方で、ガイドする方はだいぶ楽をさせていただく。

とはいえ、姥ヶ岳の雪渓では念のためショートロープを用い、下りの四ッ谷沢川雪渓ではポールを使って頂き、軽アイゼン装着も全てフォローして無事に月山・姥沢コースを周回。

 かくいう私、現在のように月山のガイドに携わっているのは、きっかけがある。

 大昔の若かりし頃、某8000m峰で最終キャンプに帰ってきた時のお話。

 誰もいないテントに帰ってきたので、自分でお湯作りを始める。凍った指を解凍するためだ。

 お湯を沸かしているとテント内の気温も上がり、指の解凍を始めると体温も上昇して一気に眠くなる。

 うつらうつらしながら、頭の中には春先の、『黄色い菜の花が揺れる最上川河畔の彼方に、白い残雪をいただく月山』の光景がひろがっていたのだ。

 はっと気がつくと、そこは無機質な8000mのテントの中。

 そんな事を一晩で何回も繰り返した。実は、それまで山形県人でありながら、月山には関心は無かった。月山に素晴らしいブナ林があることも知らず、県境を越えて福島の燧ヶ岳を訪れ、南会津のブナ林に浸るのがそれまでの休暇の過ごし方だった。

 そんな私が、なぜ高度8000m超のテントの中で月山の光景ばかりイメージしたのか、未だにわからない。

 帰国したら月山に行こう。

 それから人の御縁に恵まれ、おかげさまで月山を案内する立場にいる。

 高所登山の事を話すと自慢話に近くなるので、「昔海外の山に行ったら、月山が頭の中に思い浮かびまして・・・」程度にお客様に話すと、お客様いわく、

「月山って、人を呼ぶ山なんですね」

とおっしゃる。

「そうですね」

と相づちをうち、私たちは下りのリフトで姥沢登山口に帰着。本日も無事、ガイド活動完了。

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極上の青

姥沢口より月山山頂往復。

朝の月山は濃いガスに覆われ、小雨。雨具着用で登高。

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ヒナウスユキソウには、雨の滴がよく似合う。

 

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ミヤマリンドウも咲き始めました。

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月光坂を登っていると、雨もガスも強風と共に去り、青空が現れる。近くの登山者達の歓声が聞こえる。

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山頂に到達する頃には、雲海の世界へ。鳥海山も少し顔を出してくれました。月山では久々の青空が素晴らしい。

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シーズン初めは月山神社でお祓いしてもらいます。あんなこと、こんなことを願掛けしながら。

今年の登拝認定証は、社務所(お守りを頒布している所)に置いてあります。

年号が令和になったためでしょう、社務所は御朱印帳を携えた登山者でにぎわっていました。

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昨年は月山山頂神社社務所で「職場円満守」を求めましたが、今春の人事異動でますます人間関係もカオスになったために今年は「月山守」を求めました。

会 社 で の 災 難 除 け で す 。

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あの鐘を鳴らすのはあなた

月山山開きは毎年、曜日に関係無く7月1日。

山開きを翌日に控え、荒天で登山者も少ない月山へ。

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月山・姥沢口、リフトを降りたところには今年から「令和の鐘」が新設されました。

雪渓の状態を確認すべく入山しましたが、稜線は風ビュービューなので本日は姥ヶ岳で退却。

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たまに月山の花の時期を尋ねられますが、個人的意見として山開きの前後が百花繚乱の装いだと思ってます。

風雨の中、今日はハクサンチドリ、ウズラバハクサンチドリの鮮やかな紫が見事でした。

2019年6月30日現在、姥ヶ岳の雪渓はたっぷり残っています。雪上歩行に慣れていない方はためらわずアイゼンを使用することをお勧めします。

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百聞は一見に如かず

道に迷った!

いくら歩いても目的地に着かない!

地下鉄の明治神宮前駅を出て、大東京の群衆の中でしばらくウロウロする。スマホの地図アプリも現在位置が捉えられず役に立たねえ!

Genma

最後の手段、透視能力を発揮して(嘘)、目的地になんとか到着。

 

本日の目的地、装備品でお世話になっているファイントラック社のTOKYO BASEを訪問。

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 私の住む山形では、なかなか多くの種類の製品を手に取る機会が無い。

 普段お世話になっている登山用品店マウンテンゴリラの店主、誉田さんからは「このカタログ熟読すると、今の登山ウェアのことがわかるぞ」とファイントラック社の分厚いカタログを勧められて読むのだが、やはり実物を手にしないとわからないこともある。

 また過去に当ブログでも何度も書いているが、私は極端に汗かきの暑がりだ。緊張しやすいタチなので、ガイド山行などお客様を迎える前にウェアが汗でじっとり、なんてこともある。

 ファイントラック社のスキンメッシュはたしかに高機能なアンダーウェアだが、その使い方は全くの自己流である。スキンメッシュから排出された汗を、さらにうまく処理する方法を知りたい。

 他にも、「え?だから防水透湿アウターシェルって雨具じゃねえの?何が違うの?」など幾つもの疑問を抱えてTOKYO BASEを訪問。

 スタッフの依田さんがお忙しい中、わざわざ時間を割いて下さり、L1~L5と5種類に分類されている同社ウェアについてレクチャーしていただいた。時折、私からも質問を挟み、これにも丁寧に対応していただいた。どうもありがとうございました。

 店の外にでると、日曜・夕方の渋谷~原宿の街は凄まじい人混み。人に酔ったのか、疲労感がひどいので、

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 スタバの神宮前店に避難。ファッション雑誌から出てきたような綺麗なお姉ちゃんの行列に混じり、「冷たいコーヒーちょうだい!え?これホットなの?冷たいのどれなの?これ?あーこれこれ、これでいい!あとシュガードーナッツもね!」と田舎者丸出しでレジの女の子に注文。スタバの店内でファイントラックのカタログを取り出し、先ほどの依田さんのウェア解説の復習。

 明日は頭を切り換え、現場仕事に専念して山形に帰ります。

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新 旧 交 代

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 長らく愛用してきたブラックダイヤモンドのヘッドランプのゴムが劣化。

 これを機に現在のブラックダイヤモンド・コズモに買い換え。

登山の必携品としてヘッドランプが挙げられるが、皆さん正直、

「日帰りだし、低山だし、ヘッドランプなんていらねーんじゃね?」

と思ったことは無いだろうか?

 装備の軽量化を図った際、自分の過去の山行を振り返り、「非常時に備えてのヘッドランプって保険だよな」と考えた結果、プライベート山行ではペツルのカプセル型「イーライト」を雨蓋に突っ込んでいる。

 ガイド山行ではお客様の足下など、自分以外を照らす必要がある事、エマージェンシーに用いる可能性がある事を考慮して、フラッシュ機能のある赤色LEDを備えた今回のブラックダイヤモンド・コズモに買い換え。

 古いコズモはまだまだ本体は使えますしコンパクトなので、予備機として頑張ってもらいましょう。

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春のひととき

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 山では人と会いたくない。そんな私は、やはりガイド向きではないのだろう。

 10連休とはいえ、この山では他人と出会うこともない。

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 登山道の周囲は、リュックの置き場に困るほどにオオイワウチワが花盛り。山開き前の絶景だ。

 カサカサと音を立てて枯れ葉を踏み、花に彩られた新緑のブナ林の道を登る。

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 高度を上げると、目前に登高意欲をそそる雪の斜面が続く。

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 先行者のトレースを故意に外し、自分だけの足跡を残して「ざんげ坂」を斜上する。

 青空に近づく、気持ちよさ。

 ガイドブックによく「きつい登り」という表現があるけど、登らずして何が登山だというのか?

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 鳥海山を眺めて本日のランチ。例年になく空気が澄み、風も無く、静かな時間を過ごす。

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下山の途上、山麓の里に目を向ける。

彼方に残雪の白、民家の屋根の青、新緑のブナの緑。雪解けで増水した河川の流るる音。

東北の山奥にも春が来た。

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桜の樹の下で

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4月21日、鶴岡市温海で開催される温海さくらマラソン10km部門に出場。

ガイド山行だけだと自分の気力・体力を追い込むことは滅多に無い訳で、時にはそんな状況に自分を追い込まないと、山屋として駄目になってしまうような気がする。

そんでもってなんとか10km完走。

走り終わった後は、温海のパン屋ヴァンベールへ。

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今年も「アスパラガスの一本巻き」を購入。

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鶴岡市・温海地区は桜が満開。桜の樹の下にある足湯ベンチに座ってランチです。

走り終えた後の静かな休日を、桜を眺めながら過ごしました。

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語られぬ 湯殿にぬらす 袂かな

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月山エコプロの白田さんからお声がけいただき、今年も湯殿山ガイドに出動。

毎年大人気の企画、ガイド5名体制で入山。

過ぎ去った移動性高気圧の影響で、なんとか登山中は晴天。

湯殿山山頂は「西川町の中心部より人多いんでない?」というくらいの大混雑。

参加の皆様、まだ白い月山を眺めながら湯殿山山頂でランチ。

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登山を終え、私のシークレットエリアを覗いてみると、ザゼンソウが開いてました。

車を走らせ、山形市内に戻ってみると、街路樹の桜も開いている。春の到来だ。

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