2020年を振り返って

2020年。

コロナウイルスに翻弄された年。

ウイルスという目に見えない存在のために、こうもあっさりと社会が変わるのか。

頭お花畑な環境保護論者や平和活動家が、声をからして叫んでも、今まで社会は何も変わりなかったというのに。

それが私の正直な感想です。

 

それはさておき、皆様も自分の生活に様々な影響があったことと思います。

私個人的には、長年の目標だったヨーロッパ某峰その他、幾つか計画していた海外渡航が、コロナ禍により実現不能となりました。

じゃあ地団駄踏んで悔しかったかというと、そうでもありません。

今まで、ヒマラヤはじめ海外登山を目指して挫折・断念した経験や、そういった先輩方を多く見てきました。

コロナに勝つとか負けるとかではなく、自分のやりたいことのために、地道に準備を進めるだけです。

 

コロナ禍の中で

ブログタイトルにも載せていますが、私は「兼業ガイド」です。

どちらかといえばガイド業界の中で、兼業ガイドは蔑んだ見方をされてきました。国際ガイド、登攀系ガイドからは耳の痛い言葉を頂戴しました。

しかし今年ほど、兼業ガイドであることの有難さ、ガイド以外に生活費を得る手段がある有難さを痛感した年はありません。

その一方、身近に専業で頑張るガイド仲間・知人がいます。兼業であることの有難さを口にすることもできず、複雑な気持ちです。

旅行社のガイド依頼も激減しましたが、今年は意図して自分から旅行社の依頼は受けまい、と決めていました。

所属するガイド協会の若手の皆さんに機会を譲りたいこと、また、ある事がきっかけで、長年続けてきた大人数のガイドからはもう離れよう、と考えたことが理由です。

アウトプットの巧い若手ガイドの皆さんがウェブ界隈や全国各地で活躍している中、口下手な私が無理してガイドするまでもない。

コロナ禍を機に、あらためて身近な地元の山をもっと登りこんでいきたい。そんな気持ちが大きいです。

 

世界の登山界の方向については、まだまだウェブを通じて見届けたいと考えています。

ヴォイティク・クルティカはじめ、登山を芸術に例える人は多いですね。

今年学んだ、芸術に生きた画家の言葉を掲げておきます。

『芸術はそれ自体、発展することはない。思想が変わり、それとともに表現形式が変わるのである。』 パブロ・ピカソ

 

今年のブログ締めくくりは、いつか必ず自由に旅ができる願いをこめて、中国映画『转山』のPVに合わせ、X-Ray Dogsの楽曲『Free Flight』で締めくくります。(曲が始まるのは0:34からです)

 

皆様にとって、来年は健康で過ごせる素晴らしい年でありますように。

良い年末年始をお過ごしください。

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八宝堂【山形県上山市】

強烈な寒波襲来の前を狙い、蔵王・刈田岳を目指す。

 

前夜、泥縄式で山スキー板にワックスを塗り、蔵王ライザスキー場の営業開始まもなくリフトに乗る。
蔵王上部は視界不良。
御田ヶ原避難小屋を過ぎたところで、風も強くなった。
何度も登っているコースだからこそ、油断はすまい。素直に退却を決める。

今期購入したファイントラックのメリノスピンライトは快適。今日はライザスキー場駐車場で気温0度とさほど寒くなかったため、汗抜けを重視し、ドライレイヤーベーシックTシャツにメリノスピンライト、歩けばどうせ熱くなるだろうと無雪期用のドラウトセンサージャケットの組み合わせ。行動時間はさほど長くない一日だったが、全く汗冷え無く過ごす。

下界で愛用しているアクションカメラ「MUSON MAX1」は知らないうちにスイッチが入ったか製品そのものの品質か、寒冷下の中でバッテリーが逝ってしまう。

ライザスキー場駐車場まで下山、さあ蔵王マウンテンファームでホットミルクでも飲もうかな・・と車を走らせていると、

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『甘味どころ』という、東北マウンテンガイドネットワーク甘味処担当の私にとってかなり挑発的な幟が立っていた。

気になる!

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というわけで早速寄り道。蔵王に通いなれた方ならわかるだろうが、蔵王エコーラインをしばらく登ったところにある八角形の木造建物がリフォームされてカフェになっている模様。

20201229_120858のれんをくぐり、建物をぐるりと廻ると、

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落ち着いた感じの店構え。

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落ち着いた構えはいいのだが、なんか立派な入口。

「マナー違反した者は、一つ、大事な物を失います。」とか言う案内人が出てきそうな店構え。(昨夜、NHKのTVドラマ『岸辺露伴は動かない』面白かったもんで・・・)

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中は木材を主とした内装で、今時の女性にはインスタ映えだかツエツエバエだかする雰囲気。

年末だけの限定メニューもありましたが、迷わず「ぜんざい」注文します。

甘味控えめの餡、味のアクセントになる柚子皮、お口直しの塩昆布の器、ほうじ茶の入った細長い茶碗。

いやあ、いい店見つけた!

ぜんざいとブレンドコーヒーで一息入れ、店を出ようとした時、女性スタッフの方から

「本年最後の営業日にありがとうございました」

「え?、来年はいつから営業ですか?」

「来年の営業は4月頃の再開予定です」

ええ~!?今日訪問したのは運が良かったのか・・来年、新緑の蔵王を楽しむ時に、また来よう。

 

【参考情報 2021年の営業は4月以降とのこと】

八宝堂 山形県上山市蔵王2675-1 営業日 金・土・日 11:00~16:00(L.O.15:30) 駐車場完備

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設備投資 2020年11月

夏から秋冬モノのカタログと通帳残高を見比べ、冬季シーズンに向けてウェアの購入。

スポンサーが付いているガイドのセンセイ方と異なり、会社の出張旅費やカミさんに内緒の手当から少しずつ装備購入資金を貯めてきた。

 

よいこの みなさんは、ちゃんと はたらいて アウトドアようひんを かいましょうね。

 

前々からの課題は、ファイントラックのアンダーウェアが排出してくれる汗がうまく処理できてないこと。

普段、当ブログで公言しているように私は汗かきで暑がりなので、冬季もファイントラックのアンダーウェアの上に直でアウターズボンを履いたりしていた。

アウターの買い替えは諦め、アンダーウェアの上に着用する「中間着」を上下ともファイントラック社のメリノスピンライトで統一した。

Fine

さらに保温着としてポリゴン2ULを購入。

従来はヘリテイジの薄手ダウンジャケットを年中ザックに入れていたが、どうしても「ダウン→濡れに弱い」というイメージが強く、さほど積極的に使っていない。ラフに使える保温着としてポリゴン2UL購入を決める。

さて、今冬はどんな景色を見ることができるのやら。

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オボコンベ山(595m) 宮城県川崎町

宮城県川崎町のオボコンベ山を周回コースで訪問。



Vlog風にまとめてみました。


下山コースはニホンザルの群れと交差しつつ下山。気分はもうオボコンベサファリパーク。

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名号峰、花崗岩の山

峩々温泉から蔵王連峰・名号峰を目指す。

蔵王といえば「御釜」。

それほどに火山の代名詞でもあるが、その最高峰・熊野岳すぐ南側のピーク、名号峰は基盤岩である花崗岩で形成された峰である。

あの庭園のような花崗岩を久しぶりに目にしたい、と名号峰を目指す。

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今夏の猛暑のせいだろうか、9月中旬だというのに木々は緑色。

キノコが多く、その紅色が目立つ。

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登りつめるにつれ、リンドウが多くなる。色褪せたリンドウも多いが、冷たい空気の中で蒼い花に秋を感じる。

P4_20200920215901蔵王の主稜線が近いのだろう、それまでの火山灰質の土壌から、石英の多い岩が目立つようになる。

P5_20200920220001冷たい風の中、名号峰の山頂に立つ。

北方には南雁戸、北雁戸の山並み。

P6_20200920220101山頂にて休憩中、足元の岩を接写。

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同じく山頂から、中央蔵王である熊野岳、刈田岳を望む。手前の花崗岩の地表と熊野岳の荒々しい火山岩のコントラスト。

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山頂にて。風化して細粒化した石英が古寺の庭園のように美しい。

山頂で休憩後、のんびり下山。

P10_20200920220701ナナカマドがうっすらと紅葉し始めている。本格的な紅葉はまだ先のようです。

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以心電信

8月12日午後、朝日連峰・鳥原小屋へ。

目的は小屋管理人の鈴木正典氏に会い、山の話をして過ごすこと。

毎夏、日帰りで訪れていたのだが、昨年は

「日帰りはもういいから、来年は絶対泊まりに来て!」とおっしゃって下さった。

 人付き合いが苦手で山仲間もさほどいない私に、「泊まりにきて」と誘ってくださるのもありがたい話である。今夏の盆休みは雑事が多く、日中の時間があまりとれない。午後に入山して鳥原小屋に一泊し、翌朝早く下山は願ったり叶ったりだ。

 よく拝読している長井の八木先生のブログでも、既に正典さんは鳥原小屋に入っている様子。

 今年も事前連絡無しに、押しかけ訪問することにする。

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 古寺口から入山。

 10分も歩かないうちに、全身汗まみれになる高湿な空気。さらに断続的に激しい雨。

 メジャーな山岳雑誌は、朝日連峰といえば、せいぜい『花の山』か『紅葉の山』特集でしかとりあげない。

 歩いてまもなく全身汗まみれになるような、高湿な真夏の東北の山は記事にならない。

 しかしこれが、真夏の東北地方、樹林帯の山の現実である。ゴアテックスの提灯記事書くのに懸命なライターは記事にすることもないだろう。

  ジーン・ケリー並みのハイテンションで雨の中を2時間半かけて歩く。

 古寺から鳥原小屋にたどる道筋の最大の魅力は、高層湿原にたどり着く瞬間にある。

 灌木に覆われ鬱蒼とした道が続き、突然視界が開け、目の前に大空と湿原が広がる。何度訪れても、この瞬間がたまらない。

 「あ~久しぶりに正典さんと会うな~」と鳥原小屋に入ってみると、

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 小屋内にも生活感は無い。正典さんがこの時期に入山していないところをみると、なんらかの事情があるのだろう。

 せっかく来たし、外は大雨に強い風も吹いてきた。今夜は一人、鳥原小屋で静かな夜を過ごすことにする。

 性格が暗い私は、避難小屋で一人で過ごすことは全く苦にならない。

 P2_20200813151601いつも変わらず綺麗な小屋を、今夜は独り占め。

 簡単な夕食を済ませ、会社の仕事、ガイドの事、自分のやりたい「山」のことなど、色々考えながら眠りにつく。

 一晩中、外は激しい雨と風だった。

 

 翌日、夜明け前から日の出を待つ。

 東の空が明るくなる頃から、一斉にウグイスが大合唱を始める。

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今日の日の出は、暦では4時52分。やる気満々の雨雲が空を覆い、東の空にも厚い雲。

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5時00分、厚い雲間からの日の出。仕事仲間、ガイド仲間、家族、ブログご覧の皆様の安全と健康、その他欲張りな願い事。

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 本日13日は、下界で野暮用が多数待っている。朝6時前に下山開始。

 鳥原小屋前の湿原、例年だとチシマゼキショウが沢山咲いているのだが、今年は数えるほど。

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キンコウカが出始めていました。

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歩きながら撮影したためブレましたが、登山道はオクモミジハグマで彩られていました。

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山ぶどうはまだまだ青い。

 小屋を出て間もなく、ザックに入れていたスマホが鳴る。アラームの切り忘れだった。

 スマホを確認すると、不在着信のSMSが届いている。

 確認すると、昨夜に正典さんからの不在着信だった。

 え゛え゛~! 留守の鳥原小屋に入った時点、このタイミングで正典さんから携帯に着信とは・・・

 私と正典さんは

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アムロとシャア並みに繋がっているのか!?

いやいや、どうせ繋がるんなら年上の素敵なお姉さまの方がいいんだよな~と思いつつ、早く正典さんに連絡をとらなければと考えるが、古寺鉱泉付近は一切の携帯電話が通じないエリアなので、西川町の大井沢集落に出るしかない。

古寺方面に向かう登山道は粘土質で枯れ葉も多く、雨の直後で滑りやすく、時間も稼げない。

8時前、古寺口に下山。古寺登山センターに顔を出したかったが、正典さんへの連絡を優先し着替えもそこそこに駐車場を発つ。

西川町の国道に出たところで、車のハンズフリー画面に着信。正典さんから再びの電話だった。

私が鳥原小屋に一泊して下山直後であることを伝えると

「いや、留守していてゴメン!」とおっしゃるが、毎年連絡も無く勝手に押し掛けるのは私なので、「こちらこそ連絡もせず出向いてすみません~」と、お互い「すみません、すみません」を繰り返す。何かアメリカあたりのテレビCMで放映されている「典型的日本人」みたいな会話になる。

 挨拶も済み、少し山の情報を交わして「また次の機会に」ということで電話を切る。

 正典さんとも少し話したし、久々に山小屋にも泊ったし、今日から盆の雑事に突入するに十分なリフレッシュタイムの二日間だった。

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月山湖上のプライド

8月11日、山形県朝日少年自然の家チャレンジキャンプ2020 のイカダ体験の日。

本来ならば子供たちが最上川をイカダで下るのだが、先日の豪雨被害で最上川は危険な状態となっており、寒河江ダム・月山湖でのイカダ漕ぎとなった。

P1_20200813141101豪雨の影響で月山湖はアマゾン川なみの濁り

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午前中の活動地、四谷沢川の河口めざして子供たちのイカダは進む。

 当初は、私はゴムボートに乗りサポートする予定だった。

 元職員の服部さんから、「四谷沢川河口の様子を見に行くんで、大滝さんにも見てもらいたいんですが・・・」

 と声がかかる。結果、カヤックに乗り込み単身、湖上に乗り出す。

 子供たちのイカダより先回りして、カヤックで四谷沢川河口にたどり着く。滝口支配人はじめ所の皆さんと共に四谷沢川の流れ、水遊びできる箇所を確認。

 それから引き返し、子供たちのイカダを迎えに行く。

 イカダは左右に子供が3人ずつ、班付サポーターと呼ばれる高校生リーダー1名が乗り、オールで漕いでいく。

 左右の3人が息を合せて漕がないと、イカダは迷走する。

 ぴったり息が合いグングン進むイカダもあれば、個性的な子がそろい喧嘩が始まり先に進まないイカダもある。

 

 一番遅い班のイカダをサポートすべく、私は後方のイカダに伴走する。

 男の子と女の子の間で口論が始まり、なかなか前に進まない。

 「よし、7馬力だ ! 」

 私はカヌーの舳先をイカダ後方に押し付け、力を入れて漕ぐ。私が7人目の漕ぎ手となるのだ。

 「らくちんだ!」 イカダ上の男の子が叫ぶ。

 まもなく女の子から、

 「やめてよ!やめてってば!」

 と怒られてしまった。

 自分達の力で漕ぎ進みたいらしい。

 「ごめんなさーい!」素直に私はカヤックをバックさせ、イカダから離れる。

 近くで見ていた元職員で現・学校教員の工藤さんに

 「怒られました・・・子供には子供のプライドがあるんですね」と打ち明けながら反省。

P7_20200813142801 四谷沢川岸辺に上陸した子供たち、ほっといても自分達で遊びを考える。

 女の子たちはダム作りに夢中。

 自然保護論者の大人たちはダムを目の敵にするが、子供たちは誰に教わるでもなく、ダムを作り、そこに喜びを感じている。

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 四谷沢川河口から戻り、午後からは桟橋にて水遊び。

 水の濁りも気にせず、子供たちは喜々として水に飛び込む。高価な玩具も器具も不要、水辺にいることが楽しいのだ。

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遊びの後は、イカダ解体が待っている。皆での共同作業も、チャレンジキャンプの大事な行事。

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所に戻った後は、子供たちは入浴、その間に所員・サポーター総出で機材の洗浄。

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この光景を目にするとき、私たちの「夏」の終わりを感じる。

 イカダ関連機材の洗浄が終わり、所員の皆様に挨拶して退所。

 今年も貴重な体験をさせていただきました。山形県朝日少年自然の家関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

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Lost But Won

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強雨の中、月山ブナの森を歩いた子供たちの雨具が連なる。山形県朝日少年自然の家にて

 

今年も 山形県朝日少年自然の家チャレンジキャンプ2020 の月山登山引率のご依頼をいただく。

今シーズンは思うところあり、旅行社のガイド業務は自分から志願すまいと決めていた。

コロナ緊急事態宣言明けから、自然の家の月山登山1本に絞り準備を進めていく。

今年はコロナ禍による県内小中学校の夏休み短縮のあおりを受け、例年と異なり日曜に登山日が決まっていた。

コロナ禍の中、日曜の登山者動向を確かめるべく、6月から週末は足しげく月山姥沢ルートに通う。その結果、県外からの登山者も例年と変わりなく多く、登山予定日の8月9日も混雑が予想された。

混雑と共に頭が痛いのが天候だった。

10日程前から停滞前線による悪天、加えて台風4号が発生、8月9日の東北地方に荒天をもたらすことが予想された。

悪天の予想に加えて、今年はコロナ感染のリスクを負うことになる。

5、6、7月と不安と葛藤の中、情報を収集するが、ふと、「コロナ禍の今、山岳地で大人数を引率する行為」に有利な情報だけを集めている自分に気が付く。不安は不安のままに、あらゆる情報を受け入れようと考え直す。

 

会社が盆休みに突入した8月8日。

公休を取得していたが、取引先からの電話に対応したり、先日までの現場のデータを職場の仲間から引き継いだりとテレワークしながら自宅でパッキング。

夜、自然の家に入所。私にとってチャレンジキャンプ月山登山は、必ず前夜に参加し、子供たちの様子を確認することから始まる。

その後、所長室にスタッフの皆さんと集まり、月山登山の可否と代替プログラムについて話し合う。

2014年の葛藤の再来を覚悟していたが、板垣所長はじめ皆さん月山登山中止の方向で動いてくださった。代替プログラムとして山形県自然博物園のブナ森探検を第一候補とする。

それから所員の皆さんは手分けして、明日参加予定のサポートスタッフに月山登山中止の連絡。私は伊藤ガイドに連絡。急募しておきながら、快くキャンセルに応じてくださった伊藤ガイドには頭の下がる思い。

 

当日、子供たちを2班に分けて山形県自然博物園に移動。

1、2、4班を私が引率、3,5班は真鍋ガイドが担当してくれることとなった。

止まない雨の中、ブナの森に入る。

意外にも、ブナの木の幹を流れる雨水「樹幹流」が子供たちから「冷たくて気持ちがいい」と好評。

道はドロドロにぬかるみ、ブナの葉と土でブヨブヨになった道は足首まで沈むところもある。

「泥沼のワナにひっかかるなよー」と子供たちに声をかける。職員の小野さんがやはり学校の教員らしく「泥沼のワナに引っかかった人ー」と子供たちに声をかけ、子供たちも「はーい !」と元気よく反応、場を盛り上げてくれる。

「ブナ林広場」に出て、子供たちに休憩をとらせる。そこから先の階段は強雨のため、雨水が滝のように流れていた。子供たちの様子を注視、「寒い・・」と口にする子供のつぶやきをとらえ、私の判断で引き返すことを決めた。

通常の博物園散策であれば、復路は石跳川に通じる道を下る。

今日は何かが違う。山上の散策路をあるきながら「タッキー、あれ何の音?」と子供たちから尋ねられる。この位置から石跳川の様子は見えないが、それは明らかに石跳川が増水した川の音だった。

子供たちの渡渉は絶対に避けようと考え、石跳川方面には下りず、復路は登ってきた道をたどり下山。

博物園では倉本ガイド、近田ガイドが迎えてくれ、1階フロアを荷物置き場として、2階部屋を着替え室として開放して下さった。

 

折しも、月山登山ツアーの代替プログラムとして立ち寄っていた大先輩の佐藤攻ガイド、我がガイド協会のエース田中ガイドも博物園に詰めていた。今日ここにはいない伊藤ガイドはじめ、多くのガイド仲間に支えられて今日をのりきったことを実感する。

 

 子供たちの反応も様々だ。

 「濡れて楽しい」という子もいれば「濡れたくなーい」という子もいる。

 同行してくださった前所長の土屋常義氏からは、

「タッキー、いや、子供たちには後から「こんな天気に行ったっけな」という経験として残る。実際に行ってみた経験って絶対大事なんだよ」と熱く激励をいただく。

 ブナ森探検で一番問題だった「子供たちが長靴を持ちあわせていない」ことも、自然の家担当の山口さん、小野さん、柏倉さんの見事な連携プレーでビニール袋とマリンシューズを巧く利用し、解決していただいた。

 こうして私の「夏山」は終わる。今シーズン前半は月山・姥沢ルートに通い詰めだった。

 今度は近くの里山でも登ろう。

 所用のため夕食をいただいた後、スタッフの皆さんに挨拶してから退所。

 Hans Zimmer のLost But Wonを聴きながら、雨の国道112号を自宅に向かった。

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夏山の始まり

18日は休養を取り、19日、予約のあったガイド山行。

クライアントは若い男女ペア。といいつつ、実は私の甥と彼女の2名。

どんよりと朝から分厚い雲に覆われている月山。

姥沢から登り始め、稜線でも冷たい風に吹かれていたが、山頂で昼食をとる頃に青空がひろがる。

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 今日の庄内側は厚い雲で何も見えないが、一昨日は雲海で見えなかった村山盆地が見え始め、昼食をとっていた大勢の登山者たちが一斉にスマホを向け始める。

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 私たちが昼食を取り終える頃、青空が見え始めて30分もたたないうちにあっという間に暗いガスに覆われ、大粒の雨。

 「女心と山の天気は・・」と、どこかで聞いたようなフレーズがあちこちから聞こえる、昼の月山山頂。

 鍛冶月光を1/3降りたころには、再び暑い日差しが照り付ける。

 周囲の空には積乱雲。長い雨の日々を過ごして、ようやく夏山の始まりを感じる。

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雲と雲の間

17日、朝日少年自然の家所員の皆様を引率して月山・姥沢ルートへ。

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 どんよりした曇天だったが、登ってみれば雲海だった。

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頭上は高層雲、下界は厚い雲に覆われ、雲と雲の間を登った感じ。

梅雨の大雨が大気中の塵を洗い流したためだろうか、牛首から上り詰めた稜線からは粟島、佐渡島まで眺めることができた。

セカンドを歩く板垣所長が両膝にサポーターを装着した状態のため、なるべく段差の少ない歩みができるよう、コースどりに気を遣う。

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山行を終え、自然の家に戻ってミーティング後、解散。

自然の家駐車場でネジバナを眺める。

今手掛けている作業現場の敷地内も、ネジバナの盛り。

同じネジバナでも、今日は安堵感の中で眺めるネジバナだった。

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